LAN工事ってなに?ネットワーク工事の基礎知識と施工の流れ

オフィスでパソコンを使用して仕事をするなら、今やなくてはならないのが「LAN」

ファイルやプリンターの共有、インターネットへのアクセスといった用途で使用しています。

あまりにも日常に溶け込んでいるため、普段その存在を意識しない人もいるかもしれませんね。

 

ただ、もし今後LANオフィスのレイアウトを変更したり、事務所を拡張したりする場合には、何もしなくてもLANが利用できるわけではありません。

建物の工事や机の配置に合わせて、「LAN工事」を行う必要があるのです。

 

今回は、そんなLAN工事の基礎知識についてご紹介します。

主に下記のような情報です。

  • LAN工事関連の基礎用語の解説
  • LAN工事の流れ
  • LAN工事費用の相場

いざLAN工事をするといったシーンで困ってしまわないよう、本記事を読んでしっかり基礎知識を身につけておきましょう!

 

LAN配線工事の基礎知識

LAN工事を理解するにあたり、まずは基本的な用語を知ることから始めましょう。

本記事では下記のようなステップで説明していきます。

1.専門用語の解説
LAN工事には機器や規格など、いくつかの専門用語が出てきます。
まずはそれらの概要を解説します。

2.見積もりから工事までの流れ
上記の基礎知識を踏まえ、LAN工事の手配から工事完了までの流れを解説します。
業者との調整や費用の相場などもこちらでご紹介しますよ。

専門用語

それでは専門用語の解説から始めていきます。

といってもそれほど難しいものではありませんので、ご安心くださいね。

また「ネットワーク=繋いで使用するもの」ですので、各用語の関連性を意識しながら理解していただければと思います。

 

LAN

LANについては、まずは下記のようなイメージをご理解ください。

【引用元】https://note.cman.jp/network/lan_branch.cgi

ケーブルや無線などを使って近くのパソコンやプリンターを接続し、通信するためのネットワーク=LANです。

略さずに言うと「Local Area Network」で、構内ネットワークという意味ですね。

「近くの」「構内」といった言葉に厳密な定義はありませんが、一般的には同じ敷内だったり、同じフロアだったりといった範囲のネットワークをLANと呼びます。

LANに接続する機器は、例えば以下のようなものがあります。

・パソコンやタブレット

・プリンターやサーバ

これの機器を同じLANでつなぐことで、印刷やファイル(データ)を共有できるようになるわけですね。

また、インターネットに接続するための「ルーター」や、複数の機器を接続するための「HUB」といった通信機器もLANに接続する機器の一つです(詳細は後述します)

なお、離れた場所にあるLAN同士をつなぐネットワークのことを、WAN(Wide Area Network)と呼びます。(場所の離れた事務所同士で通信したい場合など、各事務所のLANをWANでつなぎます)

本記事ではWANについては触れませんが、LANと対義語になるネットワークですので、頭の片隅に置いておいていただければと思います。

いまさら聞けないネットワーク・LAN工事の基本シリーズ!!「LAN」って何?

 

LANケーブル

LAN配線工事を行うにあたり、当然必要になるのがLANケーブルです。

一見するとどれも同じような線ですが、実は中身の規格が異なっていたりしますので要注意。

年々増加する通信量に対応する形で、LANケーブルの規格も変わってきているのです。

現在LANでよく使用されているLANケーブルの主な規格のうち、一例をご紹介します。

規格名称 通信速度 伝送帯域
カテゴリー7 10Gbps 600MHz
カテゴリー6A 10Gbps 500MHz
カテゴリー6 1Gbps 250MHz
カテゴリー5e 1Gbps 100MHz
カテゴリー5 100Mbps 100MHz

ちょっとむずかしい言葉がたくさん出てきて抵抗感があるかも知れませんが、いきなり詳細を理解する必要はありません。

まずは「カテゴリーの数字が大きいほうが通信速度が速い」というくらいでご理解いただければと思います。

また、ケーブルだけ速いものを使っても、そこに繋がるパソコンやルーターがそれぞれのカテゴリーに対応していなければ、充分な速度は出ません。

具体的には、カテゴリー6までにしか対応していないパソコン同士をカテゴリー6AのLANケーブルで繋いでも、10Gbpsでの通信はできないのです。

の場合、通信できる速度は1Gbpsまで速度が落ちます(規格には互換性があるため、カテゴリーが異なると速度は落ちるものの通信自体は可能です)。

また、LANケーブルの形状にもいくつかの種類があります。

も主流なのは約5~6mmくらいの丸型のケーブルで、価格も最も安価です。

かには厚さを1.5mmくらいにまで抑えた平べったいケーブルもあります。

べったいケーブルを使えば、カーペットの下に配線を通しても目立ちにくいといったメリットもありますので、用途によって使い分けることをおすすめします。

LANケーブルのCat6とかCat7とかって何?LAN工事に必要な最低限の規格とは?

 

B工事、C工事

B工事、C工事、これは工事の区分を示す用語です。

よくあるケースとして、建物の一部を借りて事務所として使用している場合、工事をするときの箇所や工事内容によって、誰の費用で誰が工事するかが決まってきます。

B工事、C工事といった区分は、「工事費用を誰が負担するのか、工事業者は誰か」を見分けるためのものなのです。

実際はA工事もありますので、ここでは合わせてご紹介します。

LAN工事は、内容によって建物に穴をあける必要があるなど、建物側との調整が必要な場面があります。

また建物によっては、管理上の理由により建物が指定する業者以外は工事できないところもあります。

こういったルールも守っておかないと予期せぬトラブルに見舞われることもありますので、よく理解しておきましょう。

【例】 費用負担者 工事業者 工事内容
A工事 建物所有者 建物所有者の指定業者 建物そのものの維持のために行われる工事で、ビルの外観工事のほか、廊下やエレベーターといった共有部の工事など
B工事 賃借人 建物所有者の指定業者 空調や電気、照明などもともと備え付けられていたビル設備の移設や拡張工事など
C工事 賃借人 賃借人で選定した業者 賃借人が借りているスペースの内装工事や、電源・電話・LANなどの配線工事など

なお、表を見てお気づきになった方もいるかも知れませんが、この区分はLAN工事に限った話ではなく、一般的な工事全般に言える区分です。

LAN工事も同じ考え方に則って行うという位置づけですね。

なお、オフィスのLAN工事といったシーンでは、ほとんどのケースが「C工事」に分類されます。

ビル内で複数のフロアを借りていて、その間を専用のLANケーブルで接続するなどの工事を行う際は、B工事となることもあります。

建物所有者と賃借人の間で認識のズレがないよう、工事を行う前に区分について認識合わせをしておくことをおすすめします。

 

端末機器

さて、先ほど触れましたが、LANに接続する機器はパソコンやプリンターのみではありません。

ネットワーク機器として「ルーター」「HUB」といったものもLANに接続します。

それぞれの役割を簡単に説明します。

 

ルーター

LANの外と通信するときに使用する玄関口となる機器です。

さきほど『インターネットに接続するための「ルーター」』という記載をしましたが、厳密にはインターネットへの接続に限らず、例えば他の事務所とWANでつなぐといったシーンにおいても、このルーターが玄関口の役割を果たします。

「中継機」と呼ばれるときもあります。イメージしやすい方で理解していただければと思います。

いまさら聞けないネットワーク・LAN工事の基本シリーズ!!「ルーター」って何?

 

HUB

こちらは単純にLANを分配するための機器です。

一本のLANでは一つの機器しか接続できませんが、例えば8つの口を持つHUBであれば、一本のLANを8つに分配できるといった形です。

電源コンセントのタコ足配線のLAN版と考えると理解しやすいかも知れませんね。

注意事項もタコ足配線と同じです。たくさん繋げることができて便利ですが、繋ぎすぎると負荷が高まります。電源と違ってさすがにLANは発火はしませんが、通信が混雑して遅くなるなどの症状が出やすくなります。

行き当たりばったりのLAN配線にならないよう、あらかじめLAN全体を見据えた構成検討が必要ですね。

 

見積もりから工事までの流れ

LANの基礎は概ね理解できましたか?

ではここから実際のLAN工事の手配について、全体の流れをご説明します。

具体的な流れは以下のとおりです。

 

見積もり依頼

現場調査

見積書の提示

契約

工事

 

それぞれ解説していきますね。

 

見積もり依頼

まずはLAN工事にかかる費用がどれくらいかかるかを知るために、業者に見積もりを依頼します。

依頼時におけるコツは「フロアのレイアウト図」です。

例えば机の数を増やして、各机に配線を出すという工事をしたい場合は、机の設置場所や必要LAN本数をレイアウト図に書き込んで業者に提示すれば、工事内容の認識合わせがしやすくなります。

また可能であれば、LAN工事の見積もりはいくつかの業者から取っておくことをおすすめします。

工事内容の妥当性や、金額が高すぎたりしないかチェックできますからね。

その際もレイアウト図があれば、各社に同じ図を提示して同じように説明できますので、調整もスムーズに済みますよ。

 

現場調査

業者による現地の下見を行います。

あらかじめ伝えておいた工事の内容が、本当に問題なくできるか業者の目で確認します。

簡単な配線工事だと思ってたのに、現場を見たら鉄の扉に穴を空けなければならないことがわかり、別の経路からの配線に変更するなど、現場に来て初めてわかることや、現場調査を踏まえて工事方法が変わることもよくあります。

業者側としても、現場調査をすることにより必要LAN配線数や各ケーブルの長さなどを正確に算出することができ、必要部材の手配などもしやすくなります。

現場調査はしておいたほうが無難ですね。

 

見積書の提示

業者から、LAN工事にかかる費用が提示されます。

金額とともに、工事の内容(どこに何本配線するか等)が提示されるはずですので、合わせて確認しましょう。

とはいえ、専門業者の仕事の妥当性チェックはなかなか難しいものですよね。

ここで役に立つのが、先ほども触れた「いくつかの業者から見積をとっておくこと」です。

見積もりが複数あればそれらを比較することによって、LAN工事内容が適切かどうか、金額が高すぎないかなどをある程度量ることができますよ。

工事内容に納得できれば契約に進みます。

予算が足りないなどの事情がある場合は、工事箇所を減らす(=その部分は自分で配線する)などを検討する必要がありますね。

LAN工事の費用ってどのくらい?相場を知って値段交渉を有利に進めよう

 

契約

いわゆる発注手続きです。

見積書で提示した工事内容と金額について双方で合意し、契約を取り交わします。

この契約手続きをもって、業者は工事に必要な部材や人員を手配し、工事日の調整を始めます。

工事期間は、簡単な工事であれば数日後に作業できるものもありますし、オフィス全体のレイアウト変更に伴うLAN工事といった大規模なものの場合など、長い期間がかかるものもあります。

大規模な場合は必要機器の手配にも時間がかかりますし、他の設備業者や建物管理会社との連携も必要だったりしますので、数週間~数ヶ月といった期間になることもあります。

日程感はあらかじめ確認しておくことをおすすめします。

 

工事

実際のLAN工事実施です。

事前調整した工事日に合わせ、業者が現地入りして作業します。

工事にかかる時間は難易度によりますが、例えば6人がけの机を配置し、そこに他所からLANケーブルを配線し、HUBを設置して各机に配線するといった内容でしたら、早ければ1時間程度で完了します。

なおLAN工事が完了したら、業者が帰ってしまう前に必ず、工事した箇所でLANが正常に使用できることを確認するようにしてくださいね。

不備があった場合は再工事してもらえますが、業者が帰ってしまったあとでは再度調整に時間がかかってしまいますので。

 

まとめ

LANの基本と、LAN配線工事の流れについて解説しました。

概要についてイメージできたかと思います。

LANの世界は、掘り下げればたくさんの技術や用語も出てくるものの、イメージを掴むだけでしたらそれほど難しくありませんので、気軽に構えていただければと思います。

またLAN工事の手配にあたっては、

  • 工事の妥当性を量るために複数の会社から見積もりを取ること
  • そのためにレイアウト図の準備をしっかりしておくこと

がポイントです。

 

これらを抑えておけば、LAN工事の手配で大きなミスをすることも減ること間違いなし!

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