防犯カメラの見積もりって高い…費用を安く済ませる方法とは?
防犯カメラ設置の見積もりが、思っていたよりも高額だった…と感じる人は少なくないんだ。
今回の記事では、防犯カメラを少しでも安く設置するための交渉術について、チェックしていこう。
初めて防犯カメラの見積りを依頼し、思ったよりも高額な見積書に驚いた方は、結構な割合でいらっしゃることかと思います。
その内訳を把握して吟味し、他の業者へも相見積りをとる方法が最もなやり方の一つですが、その考察と方法については、初心者ではまだ漠然としたものがあり、理解が及ばないのもよくある話です。
ここでは、防犯カメラの見積りについて上手く立ち回る方法、見積りの正しい理解の仕方や適正価格への調整などを解説いたします。
パッとみでわかる目次
防犯カメラ工事の見積書に書かれている項目は大きく分けて2種類!
防犯カメラを設置する場合、防犯カメラやレコーダー本体の価格だけではなく、設置をする費用も必要になるよ。
その他にも、材料費や機材レンタルの費用がかかってくることもあるんだ。
防犯カメラ工事の見積りは、防犯カメラやレコーダー本体だけでは済みません。
防犯カメラを設置するという目的においては、見積りの内訳は大きく分けて2種類あります。
防犯カメラやレコーダ本体の価格と保守費用がひとつ、もう一つは、ケーブル等の配線にかかる工費、設定費用等を含める「設置費用」です。
カメラやレコーダーなど機器に関する項目
通常の見積りには、防犯カメラやレコーダー本体の情報が記載され、使用メーカーや型番などが記載されています。
ここでチェックしておきたいのは、防犯カメラ及びレコーダーの型番です。
これによって、何のメーカーの、何と言う機種を使用しているのか?が明白となります。
親切な業者はその防犯カメラとレコーダーのメーカーパンフレットを添付してきますし、常識的な業者は、見積書にメーカーや型番を記載してきます。
最もありえないのは、「防犯カメラ一式」などと、全容を覆い隠すような見積りを提示してくる業者です。
これは参考にならないので、比較対象外としてもよいでしょう。
最も「秘密の多い業者から高額な買い物を委ねて良いのか?」と言う話です。
そこまで信任できる業者であれば良いのでしょうが、それでは、そもそもの相見積りが出来ない状態となってしまいます。
ケーブルの配線や機器の設置、設定に関する項目
見積もったカメラやレコーダーの機種によって、必要となる施工は大分変わってきます。
防犯カメラの通信ケーブルは主に二種類あり、旧来の同軸ケーブルと、最近メジャーと成りつつあるLANケーブルとに分かれます。
更に、同軸ケーブルは電源ケーブルと同梱するタイプがあり、LANケーブルではPoE機能という、通信と電力の双方を送信出来る機能があります。
もう一つ忘れてはならないのは、同軸ケーブルは防犯カメラからレコーダまでの1本モノですが、LANケーブルはその限りではなく、スイッチングハブによる分岐や集約が可能であるということです。
ネットワークカメラにおいては、Wi-Fiで接続することを根本とすると、電源ケーブルの配線だけで充足できてしまったりします。
上記に対してほぼ変わらない部分と言えば、防犯カメラ本体やレコーダーの設置費用などの部分です。
現場に固定して設定する部分は、どの機器を選んだとしても、そんなに変わる内容ではありません。
設置費用が大きく上下する要素は、防犯カメラの通信方法と給電方法に偏って来ることを覚えておきましょう。
他には材料費や、機材レンタル費がかかる場合も
防犯カメラ工事業者は万能というわけではなく、防犯カメラの設置位置が高所や狭所にある場合や、ドリル等で貫通工事を要するとことになりますと、足場やドリルのレンタル、場合によっては、高所作業車を手配せねばなりません。
これらの費用も丸々含めて施工費として算出してくれるわけですが、これらをきちんと算出してくれる業者は、綿密な現地調査を重ね、ヒアリングを行ってくれている業者です。
親切な業者であることは理解しておきたいものです。
この要素は、本当に時と場合による状況となりますが、場合によっては発生する費用であると考えておいたほうがよいでしょう。
防犯カメラの見積もりを安くするにはどうすればいい?
防犯カメラの設置費用を少しでも抑えたい場合には、相見積もりを取るのがお勧めだよ。
その他、事前に予算の上限を伝えておくのも良いね。
防犯カメラの見積り内容を安くするには、見積りの根拠内容の精査と、相見積りする手間を惜しまないことが最も肝要です。
かといって、あまりにも工事業者を揺さぶるような行為に走ってしまうと、値引きはおろか、受注すら受け付けなくなってしまうような事態になりかねません。
業者とはいえ、人との交渉です。
顧客という立場にたって、上手く立ち回らなくてはなりません。
見積もりの内容をしっかりと把握する
見積りの内容には、必ずしも「見積り根拠」というものが存在します。
それを問われて揺らぐようであれば「とりあえず加算した」という意味でもあるため、値引きの対象となります。
しかしながら前述のように「揺さぶる行為」は禁物です。
交渉上手はほんの2,3点の質問で値引きを引き出すものです。
ポイントとなる箇所を探り当て、根拠を伺う姿勢こそが、最も正しいやり方です。
そのためには、見積書の書面から様々な情報を引き出し、値段の相場や、正確な工数を把握せねばなりません。
相見積もりを必ず取る
この場合、本当に最初の段階で「相見積りをして良いか?」と、必ず業者へ聞くことが前提条件となります。
競争相手が見えない状態で、業者へクラウチングスタートをとらせるかどうかが、交渉時のスタートアップの鍵です。
初めから相見積りと認識している場合、業者はかなり無理をしてくれる傾向がありますが、途中から「相見積りになりました」と告げてしまうと、急激に指揮が下がり、受注すら危うくなってしまいます。
このあたりはかなり単純なことになってしまいますが、見積りに対してダイレクトに影響を与えることになりますので、発言には気をつけつつ、事を運びましょう。
予め予算を伝えて上限を設定してしまう
有能な工事業者は、見積もる上で「予算は?」と欠かさず聞いてきますが、防犯カメラなどのシステム業者はその限りでありません。
防犯カメラシステムがどのようなものかを理解する前に見積りを依頼する顧客もいるので、予算については聞いたり、聞いてこなかったり、とまちまちです。
なんらかのシステムを導入するうえでの予算計上を「予算取り」と言いますが、それを求めるためには、業者から概算見積りを提示してもらうことがベターです。
概算見積りは2-3日もあれば回答が出来る上、自分たちが導入しようとしている防犯カメラ一式にどのようなコストがかかるのかが判断できます。
その上で、概算見積りに8割ほど(概算見積り×0.8=予算)をかけ、それを指標とする形が一番望ましい駆け引きと言えます。
しかし、それ以前に「考えているよりも高価だった」ということもよくある話です。
そこは無理を言わず、防犯カメラの個数や選定機器のダウングレードなどで調整していく方がよいでしょう。
防犯カメラ工事の見積もりをしてもらう時に気を付けること
防犯カメラを少しでも安く設置したい場合には、カメラのスペックを下げる事も検討してみよう。
多すぎる設置台数も、コストが多くかかってしまう原因となるよ。
防犯カメラを見積もる上での駆け引きは、単純に言葉遊びだけでは終わりません。
防犯カメラのサイジング(要件に見合った機器を選定、調整すること)と、設置範囲の調整によって、更に防犯カメラの個数を調整することもできます。
カメラのスペックが高すぎないか必要最低限の知識をつける
防犯カメラは日本製が良い、というのは、当たり前の認識ではありますが、光学カメラが無駄に望遠仕様になっていたり、ハイグレードなライセンスやソフトウェアを使用していることもよくある話です。
例えば「いやいや、これらは全て丸め込んでのセット料金ですよ」と言ってくる業者Aもいるかとは思いますが、それを逆手にとり、他のB社へ「このA社の選定機器での見積りをお願い」してみれば、真相が分かるはずです。
サイジングの方法も、デモンストレーション機器の貸し出しを依頼すれば、一目で判断できるはずです。
これだけダイレクトに首を突っ込んでいけば、自分の知りたい情報や知識は、自然と身に付いていきます。
録画をしたい範囲を決めて必要以上の台数がつかないようにする
デモンストレーションをすることで、該当する防犯カメラの画角やPTZ、画質までもがはっきりと分かります。
それに伴い、撮影範囲と構成図面を吟味し、防犯カメラの台数が減らせないか、検討してみましょう。
また「ここは必要」と思っていた箇所が本当は、防犯上、あまり重要ではなかったり、逆に防犯カメラの死角を見つけてしまう事もあります。
このような導入時の調整を行うことで、防犯カメラで真に必要な台数を明確にすることができますし、その副産物として、導入してみて後悔の少ない環境を整備することも出来るのです。
見積もりをしてもらう業者とは対等に話をすること
見積りをしてもらうと、どうしても顧客という立場に立つために、自分が「お客である」と自覚を持ちます。
それはそれでよいのですが、B to Bという現場は売り手と買い手が常に同じ立場であり、お互いの意志を尊重しなければならないことも念頭に置いたほうがよいでしょう。
そのメリットとして、プロの仕事にお金を払うのと同時に、価格調整やこと細かい依頼を聞き入れてくれます。
こちらとしては、自分たちでは不可能であるプロの仕事を業者がしてくれるわけですが、業者選定を誤ると不幸でしかありません。
業者選定の際によくよく吟味し、価格だけではなく、正確なコンサルタントや技量が伴った業者を選ぶべきでしょう。
それらを総合してベンダコントロールと言いますが、合わせて言えるのは、ベンダコントロールをする鍵は、業者と同じプロではないことを自覚することです。
自分たちの仕事を妙に知っていて、対抗してくる顧客に譲歩する業者は居ません。
ベンダコントロールは、専門的な交渉ではなく、心情的な交渉に実があることを覚えておきましょう。
まとめ
防犯カメラを少しでも安く設置したい場合には、相見積もりを取る事、防犯カメラに対して、ある程度の知識をつけておく事、専門的な知識を業者に押し付けるのではなく、自分の意向を伝えながらも、ある程度業者の意向に沿って話を進めていくことも必要だよ。
初心の体で、見積もりを依頼し、ベンダコントロールの中で導入を遂行するのは、防犯カメラに限らずどの分野のシステムにおいても、同じことが言えます。
無知は罪と感じる人は少なくありませんが、交渉する上での初心の感情は、業者からの協力を引き出すことも出来ます。
その上で敢えて、知らないフリをするのも、テクニックの一つです。
防犯カメラの導入は、防犯カメラの映し出す監視範囲や運用性の高さも大きな鍵となりますが、ステークホルダーの心情や、業者との交渉ごとも、大切な要素の一つです。