今時無線LANが当たり前!それでも有線LANが必要な理由とは?

無線LANという環境は非常に便利でいて、今ではどのオフィスネットワークにおいても導入されている要素のひとつです。

ですがそのような便利な環境においても、有線LANの環境はその役割を終えることはありません。

むしろ、有線LANと無線LANの使い分け方一つで、オフィスネットワークは大変便利な環境から、非常に使い勝手の悪い環境にも変化します。

では無線と有線は、どのような使い道で最適なオフィスネットワークを構築することができるのでしょうか。

その真髄を紐解いていきます。

 

有線LANと無線LANってどう違うの?

無線LANと有線LANの決定的な違いは、LANケーブルを用いて通信するか、無線電波を用いて通信するか、その一言に基づきます。

オフィスネットワークにおいて、有線LANは、インターネットもしくはWAN環境に繋ぐルータ/ファイアウォールから降りていき、L3スイッチやL2スイッチを経由してHUBへ繋がれ、各クライアントやサーバへ接続されるに至るまでを担当します。

また無線LANは、オフィスネットワークにおいて、L2スイッチやHUBに繋がれ、少々離れた(2m~30mほど)環境からクライアントにて接続する際に用いられます。

この申し上げた用途をきちんと守ることこそが「有線LANと無線LANを使い分ける」鍵となります。

 

有線LANとは?

有線LANは、ネットワークが生まれた頃から今までずっと、様々な施設を支えてきた環境です。

8本の銅線がビニール製の被覆シールドに包まれ、ネットワーク機器やクライアントの間を、最大で100mまで繋ぎ、ほぼ遅延なくデータを運びます。

今では安価なCat5e(1Gbps)や10Gbpsを実現するCat6A、Cat7といった規格が主流であり、コアな要所に適した光ケーブルも台頭してきました。

無線LANとは?

無線LANは、無線電波を利用して通信を行う環境を指します。割とどのような環境にも受け入れられるため、今ではオフィスネットワークにとって無くてはならない環境の一つとして利用されています。

伝送速度や通信の信頼性は有線LANに劣ります(最大600Mbps程度)が、LANケーブルを導入する必要が無いため、末端のノートパソコンやモバイル機器など、携帯性を重視された機器に対しては、絶大な効果を発揮します。

しかし伝送速度や通信の信頼性という面においては、有線LANの伝送速度には敵わず、空間のノイズ干渉によって「思ったより速度が上がらない」または「通信が途切れてしまった」なんてこともよくある話です。

 

有線LANのメリット・デメリットは?

有線LANは従来からあるネットワークの要件どおり「伝送速度や信頼性が確保できること」が最大の目的で配線されます。

例えばサーバ機器やネットワーク機器などは、社内オフィスやシステム上、最も主要な根幹となるため、回線の速度や信頼性を重視されます。

これには膨大な通信量を確保したいハイエンドなクライアント機器なども該当します。

ですが逆に、携帯性を重視されるノートパソコンやモバイル機器などは、そのLANケーブルの取り回しが邪魔でしかありません。

 

有線LANのメリットは?

有線LANのメリットは「通信を途絶させたくない」ために必要です。

昼夜問わず常にパケットの送受信を必須としているサーバ機器やネットワーク機器は、当たり前のように有線LANを使用しています。

Cat5eケーブルが主流になった頃から、LANケーブルの伝送速度はパソコンやサーバのデータ処理性能をほぼ上回り、回線速度や信頼性を必要とする環境においては、必要最低限の選択となっています。Cat6AやCat7に至ってはこれを上回る通信速度を担います。

また、複数本のLANケーブルをネットワーク機器間、またはネットワーク機器とサーバの間に接続させる冗長化ネットワークも最近では主流となりつつあります。

冗長化ネットワークは、例え、1本のLANケーブルが切断されても通信を継続させるという大きなメリットがあります。そして複数本のLANケーブルはネットワーク機器やサーバにて効率的に通信が行われ、Cat5eケーブルであれば、理論上、2本からなる2Gbpsから、最大で8本構成の8Gbpsまでの通信を行うことが可能となります。

これをリンクアグリゲーション技術と言いますが、現在では大中規模の施設に導入されている技術となります。

オフィスのL2スイッチなどにも使用されており、最近のネットワークが滅多に途切れる事がないのも、この技術のおかげだと言えます。

 

有線LANのデメリットは?

有線LANが配線されるのにどうしても付きまとう問題は、物理的に「ケーブルがそこにある」という事実です。

数十台規模のパソコン機器を擁するオフィスネットワークについては、HUBやL2スイッチへそれを上回る数のLANケーブルが接続されます。

例えば24ポート搭載のHUBに対して、24本のケーブルを使用すると、概ね引き出し1つ分のスペースが必要となります。

24本分のLANケーブルともなると、その空間は結構な範囲が必要となり、HUBボックスを設置するなどの対処が必要となってきます。

HUBボックスは1台につきHUB2台から7台分ぐらいのネットワーク機器が搭載できますが、キャビネット1台分ぐらいのHUBボックス用スペースが確保できていなくてはならず、またそのHUBボックス周辺から伸びるLAN配線にも配慮しなくてはなりません。

有線LANはその伝送速度と信頼性に絶大な力を発揮しますが、優先であるが故の条件下で、そういった「取り回しに対しての不自由さ」を考慮しなくてはなりません。

 

有線LANはこういう方におすすめ!

以上のことから、有線LANは下記のような構成や、それを必要とする方にお勧めとなっています。

  • ネットワーク機器間の通信を必要とする
  • サーバやストレージなど、昼夜問わず継続した接続環境や伝送速度を確保したい場合
  • 膨大な通信料を確保したいハイエンドなクライアント機器
  • LANケーブルの取り回しに困らない場所やスペースを確保できていること
  • ノートパソコンやモバイル機器のように、携帯性を求めないこと

 

無線LANのメリット・デメリットは?

無線LANの最大の特徴は、LANケーブルではなく、無線電波を送受信してデータのやり取りを行うことです。

無駄に取り回しづらいLANケーブルを必要としないため、ノートパソコンやモバイル機器のほか、フリーアドレスの形態であるオフィスネットーワークにも頻繁に使用されるようになりました。

また最近では従来の2.4GHz帯通信のほか5GHz帯にて通信する「速度の速い無線電波」も登場しており、無線通信ではネックだった通信速度が飛躍的に向上するようになって来ました。

 

無線LANのメリットは?

無線LANの利便性と現代のオフィスは、既に切っても切れない間柄になってきました。

無線LANを本格的に導入したオフィスの外観は、ゴテゴテしたLANケーブルやHUB/L2スイッチなどが綺麗に収納・若しくは収納すら必要としないため、スッキリしたレイアウトになっています。

またオフィスのユーザーは、自分の使用しているパソコンやモバイル機器をどこのLANケーブルへ挿すのか?を考慮する必要が全くありません。

フロア内を移動しても、無線LANの無線電波の出入り口である「アクセスポイント」が瞬時に入れ替わり(これをローミングといいます)、通信を継続させるという、すばらしい働きをしてくれます。

これだけでも、現代のオフィスネットワークがいかに無線LANを必要とするのかが如実に現れていると言えます。

 

無線LANのデメリットは?

無線LANが苦手とするのは、通信速度と信頼性の観点です。

無線電波を使用しているため、ほかの無線LANに対する電波干渉やノイズ干渉を受けやすく、それが「発生しているタイミング」が見分けづらいのです。

ここで電波干渉とノイズに関して詳細をお話ししましょう。

2.4GHz帯の無線電波は、障壁を乱反射して、無線子機へ着信するという性質を持っています。

この方式は、壁で隔離された室内ネットワークに強く、後述の5GHz帯通信よりも優位性を保ちます。

処が、電子レンジやドライヤー、冷蔵庫などの電流に弱く、以上のものが稼働中の室内においては、ノイズ干渉によりパフォーマンスが発揮できないことがあるという、ちょっとした弱点を持っています。

また、周囲の設備が同じく2.4GHz帯の無線を飛ばしている状況も良くありがちで、こちらの電波干渉を受けることもあります。

一方、5GHz帯は、ある程度の薄い材質であれば、障壁を貫通するという性質を持っています。

直線的な着信によって、隔離フロアに対してもある一定のパフォーマンスを発揮することができます。

また5GHz帯は、最近出回り始めたこともあり、使用している拠点が少なく、電波干渉を受けにくいというメリットが得られます。

ですが、電波干渉にはやはり弱いのと同時に、トラック無線やアマチュア無線と干渉する可能性もあるようです。

また5GHz帯はそういった機器に影響を与えやすいためか、日本の法律では屋外での使用を禁止されているようです。

 

無線LANはこういう方におすすめ!

以上のことから、無線LANは下記のような構成や、それを必要とする方にお勧めとなっています。

  • ノートパソコンやモバイル機器など、携帯性を重視する機器
  • 頻繁にデスク移動が行われるようなフリーアドレス制のオフィス
  • 会議などで複数人が一箇所に集中する場所
  • オフィスレイアウトが有線LAN配線に適していない場所
  • 有線LANが露出するとケーブル故障の原因となる屋外

 

まとめ

物理設計や構築を進める上では、全体的な構図に着目しなければなりません。

現在のトレンドは、何が何でも無線LANへの接続を行った方が安直ですし便利でしょう。

ですが無線LANの使い方を誤ると、電波障害やトラブルが発生した際の、パフォーマンス低下や原因追及が困難である状況に陥りやすい傾向があります。

無線LANは目に見えない分、トラブル時の状況が見えにくいからです。

基本は、あくまで有線LANが根幹にあり、その周辺や端末に対して無線LANがアシストするというのが最も望ましい形なのです。

有線LANと無線LAN、お互いのメリットやデメリットを把握し、適切な使用方法を守ることこそが、最適なオフィスネットワークを作るための真髄なのです。

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