LAN工事は必要だけど一括で支払えない…LAN配線工事でリースが適用できるケースは?

オフィス開設や更改などで「ネットワーク環境を整えたい」との考えに至ったとき、前にも後にも考えうるのはIT投資です。うっかり予算化していなかったり、そもそもIT投資にかける予算がなかったりと、気が付いたときには困ったことになっているケースが殆どです。

SOHOなどの小規模なオフィスにおいても、ノートパソコン2~3台に安直な無線ネットワーク、それにIP電話の環境を整えるだけでも30万円は下らないのですが、こういった痛い出費をどう捻出するかは意外に大変です。

こうなった際に、リースで賄う手段が選べますが、リースはその語源通り、レンタルや賃貸という位置付けになります。

しかし、IT資産をリースで賄うのは良い判断かもしれません。それはなぜか、解説致します。

 

LAN工事はリース契約にできる?

そもそも、レンタルや賃貸という位置付けのリース契約において、ネットワーク環境を整えることが目的であるLANケーブル敷設などの工事を含む契約は結べるものでしょうか。

その答えは、可となります。恐らくはノートパソコンやルータなどの導入に際し、それを利用するにあたっての工事や導入費が必要となります。この導入費という考えは、施工業者から買い取る形でリース契約することが可能なのです。

契約、導入し、あとは経費として月々支払っていくことが求められますが、最低限な必要経費として考えれば、それで手を打つことも良策ではないでしょうか。

 

リース契約とは?

リース契約とは、施主であるあなたが施工業者とやり取りし、施工に必要な金額を、第三者であるリース業者へ託します。リース業者は、施主のあなたに、施工代金へマージンを付け、月々支払いを要求します。具体的に言いますと、

①施主であるあなたは、IT資産の導入に成功し、月々の支払いをリース業者へ渡します。

②施工業者は施工を完了し、施主ではなく、リース業者から施工代金を貰います。

③リース業者は施工業者へ代金支払い、その代金へマージンを乗せて、施主に月々の料金を請求します。

この3点間のやりとりで、施主であるあなたは、安価な初期費用でIT資産を確保することができるのです。

 

LAN工事にもリース契約は適用できる?

LAN施工に対するリース契約という形態は、昔からよくある話です。リース業者も、工事や導入費などをリースに乗せる事への問題視をするわけではなく、これから賃貸するIT資産を有用に活用するためには、そういった必要経費も厭わないという考えを持っています。

リース契約が終わった際には、何もLANケーブルを引き剥がして現状復帰するわけではありません。

機器の返却こそ求められますが、そこまでする価値がないものに関しては、減価償却資産として捉えられます。減価償却資産はリース満了後には破棄されてしまうので、お互いにWin-Winな契約となるわけです。

 

その他の支払方法

リース契約で月々の支払いが発生しますが、例えばノートパソコン2台とLAN工事とIP電話の設置で60万円をかけたとします。これに概ね5年のリース契約を結んだとした場合、リース利率を2%と考えて、月々の支払いは12,000円程度となります。

また、リース契約に関して一括支払いとする利用者はそうそう居ませんが、支払いを分散するだけがリース契約の価値ではありません。後述のお話の中で、その付帯価値について語りたいと思います。

 

リース契約にするメリットとデメリット

リース業者がマージンを取るという時点で、概ね「初期導入費用を安価にする」というメリットと、「合計の支払い額が、一括支払い額より高額になる」というデメリットが思いつくかと思います。

それだけではなく、リース契約自体が「ローンではなく賃貸契約である」ということにも着目しなくてはなりません。購入したIT機器は当然、リース契約が終わったら返却をします。またレンタル機器である以上、返却後の資産について、責任を負う必要がありません。

判りにくい概要をお話しましたが、このメリットとデメリットがどのような作用をもたらすのかがポイントなのです。

 

リース契約のメリット

リース契約とするメリットは、ローン契約などと違い、賃貸契約であることが一番の理由です。IT資産は概ね5年もするとその価値が減衰します。つまり、今導入したIT資産は、5年経過後は「そろそろ買い替え時かな」という認識になってしまうわけです。

それを自分で購入したとなると、邪魔な置物でしかなくなる機器に対して「どう処分するか」が悩みの種となってしまいます。リース契約で導入した機器は、レンタル品であるため、それをそのまま返却してしまえばよいわけです。

またこれに隠されたメリットがもう一つあります。それは「リース業者は、パソコンなどのIT資産には概ね保守契約を結んでいる」ということです。つまり、ありがちな故障などの事態になったとき、リース業者によって保守契約が管理されているため、「無償で修理が可能」であるということです。

 

リース契約のデメリット

リース契約でIT資産を導入した際に留意するべきは、良い意味でも悪い意味でも「賃貸契約である事実」です。リースを満了した際に機器の返却が求められますが、どうしてもそのIT資産がまだ必要である場合、再リース契約を結ぶことが出来ます。

しかし、前述の保守契約は、機器の経年後に高額になってしまうパターンが多く、再リース時は月々の支払いが値上げしてしまう可能性があることを覚えておきたいです。

 

一括支払いにするメリット

一括払いで支払う予算があるなら、別に現金払いでも良い気がします。ですが、前述したメリットを気にしてリース契約とする手段を選ぶ方がいらっしゃるのも事実です。

リース契約で一括払いを選ぶと、年利が安く設定されるというメリットが生まれます。つまり、IT資産とLAN工事に、保守契約と廃棄処分代という付加価値をつけて、その手数料込みであることを前提に購入するという考え方です。

このほうが資産の管理がしやすく、運用が楽になるという強みが生まれるのです。

 

一括支払いにするデメリット

一括払いがデメリットと考えうる要因は、導入費がトータルで考えると高くつく他、途中解約がしづらいということが挙げられます。

前述のメリットに挙げた保守契約など、若干の縛りがあるほか、紛失や故意の故障に気を遣い、契約満了まで対象機器を保持しておく必要があります。

しかし、そういった要素が煩わしいと捉える方には、リース契約という選択肢が向いていないのかも知れません。

 

LAN工事をリース契約にするときの注意点

LAN工事は前述のように、減価償却資産であり、一度契約してしまうと後戻りが効かないため、相応の覚悟を持って契約する必要があります。

例えば5年という制約期間の中で、LAN工事費が月々の契約の中に丸々含まれる事になると、リース業者としても、途中解約については拒否されてしまう事がほとんどです。

機器を長年使用するという意志のもと、相応の覚悟を持って契約することが大切です。計画的な考え方を持って、どのような構成を見積もるのかが必要となります。

 

ネットワーク機器などはリース会社の所有物

リース契約の元で導入された機器は皆、リース業者の所有物であることを証明するためのシールが添付されます。

ネットワーク機器などの隅に、リース業者と連絡先の書かれたシールを見ることがありますが「これはレンタル品なんだ」という注意が必要です。普通は「導入した施工業者のものでは?」と思われがちです。ですがリース契約というのは、レンタカーリースなどと同様に、リース業者がネットワーク機器などを購入して、契約者へ提供するという形式を取ります。

機器の納品の後に、リース業者から「このシールを貼ってください」と指示を受けますが、そういった理屈でシールが貼られるものなのです。

 

クーリングオフは適用されない

以上の説明から、リース契約によって導入された機器は、所有者はあくまでリース業者であるため、クーリングオフなどの適用を受けません。

「機器が気に入らなかったから返品」は受け付けられますが、一度締結してしまったリース契約は無効とはならず、返金は一切受け付けられない事に注意が必要です。

通常では、リース契約は5年間からの契約となりますが「5年間使用すること」を大前提とし、契約する意志を持つ事が必要です。

 

故障してしまった場合はどこに連絡すべき?

IT機器は精密機械であるが故に、故障するというリスクが常に付きまといます。そのため、リース業者はリース契約とともに、保守契約もセットで契約させることが殆どです。

借り物を壊してしまったら弁済が必要ですが、保守契約を結ぶことで、そのリスクを回避しているのです。

機器導入の際に、メーカー保守の案内が来ますので、故障の際はそちらへ修理依頼をします。メーカー保守も、持ち主はあくまでリース業者にあるので、機器の持ち主であるリース業者へ報告の義務があります。

また、機器故障の際はリース業者へ連絡するように、というリース契約をすることもあります。その際は、リース業者がメーカー保守へ連絡をし、修理依頼を行います。

 

まとめ

リース契約は機器をレンタルする事で、LAN工事も含めた初期導入費用を安価にする事ができます。また、付随の保守契約により、機器故障のリスクと個別保守契約の煩雑さ、経年により不要となった機器の処分に際しても、そのメリットを発揮します。

デメリットにも気をつけなくてはなりません。あくまで借り物であることと、トータルコストが高くなること、クーリングオフの適用が難しいことは事前に把握しておき、適切な判断で契約する事が望ましいと言えます。