3階建ての戸建てでもLAN配線工事は可能?家庭向け、個人宅でも工事はしてもらえるの?
3階建ての戸建でもLANケーブルを配線する事はできるよ。
今回の記事では、3階建ての戸建にLANケーブルをつなげるにはどうしたら良いのか、詳しく見ていこう。
現在ご自宅が3階建ての方で、各部屋でLANを使えるようにしたい場合や、これから3階建ての新築を予定されている方にとって、各部屋のLAN環境をどうするかはお悩みの部分かと思います。
可能であれば各階の必要な部屋ではLANを使えるようにしたいし、今後のIoTの進化による家電や家具のネットワーク化にも対応していきたいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論的には、3階にまでLAN配線をすることは可能です。
今回は、3階へLAN配線するための技術的な手段を3つご紹介します。
それぞれのメリットやデメリットも触れていきますので、配線方法を選択するときの参考にしていただければと思います。
パッとみでわかる目次
3階建ての戸建ての場合どうやってLAN配線するの?
まずは3階までLAN配線するための手段をご紹介します。
なお、今回ご紹介する手段は、なるべく屋内に配線が見えないようなもののみを挙げています。
LAN配線をもっとも簡単にしようと思えば、LANケーブルのみ用意して3階まで這わせていけば一応は繋がります。
ただそれでは歩いた際に足を引っ掛けて転んでしまったり、LANケーブルが断線してしまったりといろいろな危険がありますし、見栄えもあまり良くありません。
安全性や外観も考慮したもののみを選択している点、ご承知おきいただければと思います。
3階建ての戸建にLAN配線を通すには、配管を利用して配線する方法と、屋外用のLANケーブルを利用して配線する方法、屋外に配管を作って配線をする方法があるよ。
配管を利用してLAN配線する
1つ目の方法は、壁の中にある既設の配管内にLANケーブルを通して配線する方法です。
壁の内側に、各部屋へ配線するための配管が通っている可能性があります。
その中にLAN配線を通していくのです。
すでにお住まいの方は、一度ご自宅の配管図を探してみることをおすすめします。(目視で配管ルートを追いかけるのは大変ですので)
よくあるケースとして、各階の天井裏の1か所に配管を集約してあり、そこから各部屋まで配管を通してあるというものです。
1階から2階、2階から3階をつなぐ配管も通っている可能性があります。
もしこれからご自宅を建てるのであれば、その際に合わせて配管工事をしてもらうことも可能です。
他の2つの方法と異なり、唯一屋内を配線する方法となりますね。
屋外用LANケーブルを利用してLAN配線する
2つ目の方法は、屋外用のLANケーブルを利用してLAN配線する方法です。
一般的に売られているLANケーブルは屋内用のものですので、屋外に配線することはおすすめできません。
通常のLANケーブルは屋外での使用を想定して作られておらず、耐久性が弱いことが理由です。
そのため、建物の外側は屋外用LANケーブルを使って配線します。
屋外用のLANケーブルは、屋内用の2倍~3倍の値段がしますが、外装が強化されていて雨風に強くしてあります。
参考:https://www.elecom.co.jp/products/LD-VAPFRBK10.html
ケーブルの中身は屋内用とまったく同じですので、HUBやパソコンにそのまま接続することも可能です。
屋外に配管を作ってLANケーブルを配線する
3つ目の方法は、部屋と部屋とを繋ぐ配管を建物の外側に作り、LANケーブルをその中に配線する方法です。
配管は、屋外での使用に耐えられるPF管というものを使用し、中のLANケーブルを保護します。
参考:https://www2.panasonic.biz/ls/densetsu/haikan/conduit/synthetic_resin_flexible_conduit/pf.html
それぞれのメリットは?
配管を利用して配線をすると、通信を安定させることができるんだ。
屋外LANケーブルを利用する場合には、配線しやすいというメリットがあるね。
配管を作る場合には、自分で好きな場所に配線を行うことができるというメリットがあるよ。
上記で挙げた3つの方法には、それぞれメリット・デメリットがあります。
どの方法を採択するかにあたり、それぞれの特長をよく理解することが重要です。
まずは各方法のメリットからご紹介していきます。
配管を利用するメリット
配管を利用するメリットは、他の2つの方法に比べLANケーブルを短めにできることです。
LANケーブルは距離が長くなるにつれて電気信号が減衰する性質があるため、長ければ長いほど「通信速度が落ちる」「繋がりにくくなる」などのトラブルが起こる可能性が高まります。
屋内配線であれば、ケーブルが外まで回らない分距離を短くできる形ですね。
また国内のみの配線のため、LANケーブルが傷みにくいのもメリットです。
屋外に配線すると風雨にさらされる形となるため、屋外用の対策はするものの消耗は早くなります。
屋内の配管を利用する場合は、建物の外壁に守られた中での配線となりますので、他の案に比べLANケーブルを長持ちさせることができるのです。
屋外用LANケーブルを使用するメリット
屋外用LANケーブルを使用するメリットは、配線のしやすさが挙げられます。
ケーブル自体は必要な長さを簡単に購入することができますし、屋内から屋外へ配線する際にサッシの隙間などを通すためのキットも市販されています。
参考:https://www.elecom.co.jp/products/LD-VAPFSV05.html
これらを組み合わせることで、簡単に屋外のLAN配線することができるのです。
あとは建物の外からの見栄えをどこまで気にするかによって、配線を壁に固定するための器具等を使用すれば完璧でしょう。
業者を手配しなくてもそれなりの工事を簡単に行うことができますので、器用な人は是非チャレンジしてみることをおすすめします。
配管を作るメリット
屋外配管を作るメリットは、配線の自由度の高さと言えます。
建物の外側に配線用の配管を新設しますので、他の方法に比べ制約が少なく、どの部屋とどの部屋をつなぐといったことを好きなように決めることができます。
自分の理想の配線ルートを実現できますので、こだわり派におすすめですね。
また屋外配線と屋内配線の接続部分として情報コンセントを設置することが多く、使い勝手がいい上に室内の美観を損ねることもない点が嬉しいですね。
参考:http://www2.panasonic.biz/ls/densetsu/haisen/lan/cat5e/content1.html
それぞれのデメリットは?
さて、それぞれの方法についてメリットを紹介してきましたが、もちろんそれぞれの方法には一長一短があり、デメリットも存在します。
何もかもを満たす方法はありません。
メリットだけを見ずメリットもしっかり比較し、自分がこだわりたいところと妥協できるところを見極めることをおすすめします。
配管を利用する場合には、ルートを変更することができないよ。
屋外配管は、故障率が高いし、配管を作る場合には、業者に依頼しなければいけないため、コストが高くなってしまうというデメリットがあるんだ。
配管を利用するデメリット
既設の屋内配管を利用する場合のデメリットとして大きな点は、当然のことながら配管ルートが決まってしまっていることです。
自分が配線したいところにちょうど配管が通っていれば良いのですが、そうなっていなかった場合は別の方法での配線を検討するか、配線ルートそのものを見直すかどちらかが必要になります。
またどんな配管が敷設されているかによりますが、配管内に配線を追加する作業には専用の工具が必要です。
作業は一般の方では絶対できないレベルではないにせよ、それなりに慣れていないと時間もかかりますし、誤ってケーブルを破損させるなど作業ミスをしてしまう可能性もあります。
作業の難易度とリスクを考慮すると、業者に作業依頼するほうが得策ですね。
費用は発生してしまいますが、ある程度の品質を維持するための費用と考えましょう。
なお、個人宅であっても配線業者に工事をしてもらうことは可能ですので、不安な方はまず相談してみることをおすすめします。
屋外用LANケーブルを使用するデメリット
屋外用LANケーブルを使用する方法ですが、他の方法と比べて故障率が高いのがデメリットと言えます。
この方法で配線する場合、屋内配線と屋外配線の間に非常に薄くて短いLANケーブルを噛ませ、それをサッシの隙間などに通します。
サッシと物理的に干渉することによってケーブルも痛みやすく、また複数の配線を連結するため、どうしても故障はしやすい部分となります。
配線後も通信トラブルは多く発生してしまうかもしれませんね。
また屋外用LANケーブルを使用する方法は、他に比べて見栄えの面では劣ってしまいます。
屋外ケーブルをどこに配線するかによっては、建物の美観を損ねてしまいますし、屋内から屋外へ向けて配線する部分も、なるべく目立たないような場所を通すなどの工夫をしたほうが良いでしょう。
配管を作るデメリット
屋外に配管を新設する方法のデメリットは、工事が難しい点です。
配管を壁に固定するなどの作業は一般人が施工するには難易度が高く、特に2階から3階といった部分になりますと場所によっては危険も伴います。
配管を作る場合は、基本的には業者に工事をしてもらうことになる点はご承知おきください。
もし使用中に不具合があって配線し直すとなった場合も、同様に業者に工事を依頼する形になります。
他の方法に比べるとややコストは高めになりますね。
また配管新設により配線の自由度は高くなる半面、ケーブル長が長くなることにより通信減衰が起こりやすくなる点も要注意です。
それぞれの工事内容のメリット・デメリット一覧
配管を通す方法、屋外LANケーブルを利用する方法、配管を作る方法、それぞれのメリットデメリットをまとめてみたよ。
今まで挙げた3つの配線方法のメリット・デメリットを一覧表にまとめました。
配線手段 | ||||
配管を利用 | 屋外用ケーブル | 屋外に配管を作る | ||
比較ポイント | 配線のしやすさ | △ | 〇 | △ |
配線の自由度 | × | △ | 〇 | |
故障のしにくさ・通信減衰の起こりにくさ | 〇 | △ | △ | |
コスト | 〇 | △ | × |
単純比較では優劣をつけるのが非常に難しいことが分かるかと思います(笑)
3階へのLAN配線は、比較表を見るだけで決めることはできません。
項目ごとに「このポイントは譲れない」「ここはバツでも構わない」といった、ご自身の判断基準をもつことが重要です。
例えば「コストをかけてでも理想通りの配線をしたい」という思いがあるなら配管を新設するのが良いですし、「DIY好きなので自前で配線したい」ということであれば、屋外用ケーブルを使って配線するのが良いでしょう。
自分の得手不得手や価値観も踏まえて、手段を採択いただければと思います。
まとめ
3階建ての戸建でもLANケーブルを通すことができるという事が分かったね。
それぞれメリットデメリットがあるから、費用や使用用途も踏まえた上で、最適な方法を選んでみてね。
3階へのLAN配線工事について、3つの方法をご紹介しました。
現在は無線LANの技術も発達しているものの、やはり安定感や速度を求めるならば有線LANのほうが優れています。
特にご家庭用のパソコンのように、頻繁に場所を動かしたりしないような物なら、できるだけ有線LANで接続したいですよね。
3階だからと言って有線LANは無理なのではないかと、簡単に諦めないでください。
今回ご紹介した方法を使えば、3階での有線LANは必ず実現できます。
ただそれぞれにメリット・デメリットが大きく異なり、総合的に最も優れた方法を1つ選ぶということが難しいこともよくわかりましたね。
配線の実施にあたっては、各階でのLANの用途や今後想定している利用環境の変化、費用面やご自身のこだわりなどを踏まえて検討するようにしてください。
ご自身やご家族が満足できるLAN環境を得られることをお祈りしております。