LANケーブルってどうやって配線するの?LAN配線工事の代表的な配線方法3選

大元となるネットワーク機器からパソコン・プリンタ・サーバなどの末端機器に至るまで、単に床にLANケーブルを置いただけでは、往来の邪魔や業務中にLANケーブル自体を痛めてしまう状況になりかねません。

またLANケーブルに接触してつまづいたり転んだりするなどの、怪我や事故に繋がる可能性もあります。

これは本来であれば、床下のフロアパネル等を用いて解決する問題なのですが、それらが無い、もしくは利用できない環境であった場合は、主に三つの方法を使って配線工事を行う事で、解決ができます。

 

LANケーブルの配線方法は?

最近のオフィスはOAフロア化されている所も増え、床下のフロアパネルは一般的なものになってきましたが、そういった措置が未対応であったり、不可能であったりするケースもよくある話です。

LANケーブルの配線工事は、建物のEPS室や空配管を使用して壁・天井・床などの空間へ配線する屋内配管、オフィスのフロアマットと床の間や机の合間などの狭い空間を配線するフラットケーブル、屋内配管やフラットケーブル使用に適さない場合や天井や壁から降りてきたLANケーブルを保護する為のモール処理、などがあります。

 

屋内配管を利用する

屋内配管は建屋の各フロアにあるEPS室などにネットワーク機器を設置し、フロアの接続ポイントとなる電気コンセントまでの空配管などを利用してLANケーブルを配線する方式となっています。

空配管は主に天井裏や床下、コンセントの奥に隠されており、電気ケーブルやLANケーブルの道筋となっています。

 

屋内にある既存の配管を利用する

空配管は、電気工事をした際に予備となる空配管を敷設してもらっているケースがあり、それに相乗りする形でLANケーブルを配線します。

大抵、一つの電気コンセントに付き、使用中のものとは別の「予備の空配管」を1本から複数本は余計に設置してくれているものです。

またLANケーブルは「電気ケーブルなどから発されるノイズ」を嫌う性質がありますので、予備の空配管があれば、そちらを利用してLANケーブルの配線を行います。

しかし予備の空配管が無いケースも多々ありまして、既に電気配線用途として使用されている空配管へLANケーブルを同居させるパターンもあります。

そういった場合は、一つの空配管の中に電気配線1本とLANケーブル1~2本を同居させます。

ノイズをシャットアウトさせる目的で、通常のCat5eやCat6Aケーブルを、ノイズに強いCat7ケーブルへ変更する場合もあります。

Cat7ケーブルは前述の2種のケーブルに対してコスト高ですが、被覆に2重のシールドを施して伝送速度を重視する設計となっており、殆どの遅延なく理論上10Gbpsの速度が確保できると言うメリットがあります。

空配管へのLANケーブル配線にはスチールワイヤーと呼ばれる特殊なワイヤーを使用し、空配管に挿入してLANケーブルのルートを確保します。

またビニール紐とハンドクリーナーを使用して、対向側の空配管口からビニール紐を吸い出し、LANケーブル用のラインを確保する方法もあります。

スチールワイヤーやビニール紐でルートが確保出来た後は、それらの先端にLANケーブルを固定して引っ張り出します。

 

新たに配管を敷設する

空配管がどうしても足りない場合は、追加で空配管を敷設する必要があります。EPS室や床・天井のメンテナンス用の扉からもぐりこみ、手探りで空配管を敷設していきます。

空配管の行き着く先は電気コンセントがある場合もありますが、そちらをLANケーブルのジャックと電気コンセントが併設された「情報コンセント」へ付け替えることで、電気ケーブルとLANケーブルのコンセントを同時に確保出来ます。

屋内の一般的なオフィス用途ではCD管(オレンジ色の空配管)と呼ばれる空配管が主に使用されます。防水・防塵性に優れるため、単に露呈したLANケーブルが天井裏などを配線されている状況と比べると、LANケーブルの故障率が格段に違います。

中には「空配管が無かったために、LANケーブルをネズミにかじられてしまった」というエピソードも良く聞いた話です。

PF管(グレー色の空配管)と呼ばれる空配管は防水・防塵性に加えて耐火性に優れており、例えば地中を這って屋外の隣接建屋へ敷設したり、風雨に晒されるような場所へ敷設したり、といった用途としても利用出来ます。

もっとも身近な所ですと、エアコンの室外機に使用されるPF菅が同様の物です。

室外機で漏電や故障が発生しにくいというのも、PF管のお陰なんですね。

またPF管は、建物の外に無線LANのアンテナを設置して電波を飛ばしたり、中庭や運動場を面した建屋へLANケーブルを配線したり、といった要望で用いられることが多くあります。

ただし、建物の壁や扉に穴を開けてしまいますので、モルタルやコンクリートを用いた防水処理が必要となるケースも多く見られます。

 

配管が利用できないケース

空配管は電気コンセント(または情報コンセント)への道筋であり、前述のように防水・防塵性に優れていますが、そのギザギザした外観と径の太さから鑑みても、決して万能であるとは言えません。

配管が利用できないケースでは、既設の空配管についてモルタルやコンクリートで固められていたり、要所が狭すぎて空配管が敷設できなかったり、建屋の支柱を傷つける可能性があるため断念するケースもあります。

しかしLANケーブルの配線には後述のフラットケーブルを使用したり、無線LANの環境を作ってしまったりと、他のアプローチ方法もありますので、柔軟な対応が可能です。

 

フラットケーブルで床下を通す

フラットケーブルとは、本来、丸状であるLANケーブル自体が板状になっているケーブルのことをさします。

いわば、きし麺のような形状であるため、フロアマットと床の間を通過でき、空配管が利用できないような狭苦しい空間においても、LANケーブルを配線することができます。

 

フラットケーブルを利用するメリット

フラットケーブルが使用される現場では、四方八方がコンクリートに覆われていたり、機密性を必須とする部屋であったり、壁に穴を開けたくない、若しくは開けることが不可能に近い場合などに使用されます。

フロアマットが床に貼り付けられているような環境においても、フロアマットと床の間をすり抜けるような配線が可能となります。

少し工夫をすればドアの隙間をすり抜けることも可能ですので、ケーブル接触の少ないポイントであれば、ほんの少しの隙間だけで配線が可能です。

また、配線が目立ちにくいポイントを通過するため、レイアウトや景観を汚しにくいというメリットもあります。

 

フラットケーブルが使えないケース

フラットケーブルは通常のLANケーブルと比べてデリケートな一面を持っており、その形状から「踏み付けや圧迫に弱い」という弱点を持っています。

例えば人の往来が激しいポイントであったり、椅子や机の脚が置かれていたりするようなポイントを通過するような状況であると、例えフロアマットで保護されているような環境であっても、「そのうち断線する」リスクが高くなります。

とはいえ最近のフラットケーブルは二重シールドが無いようなLANケーブルにおいても、被覆シールドが強化されている場合があり、そのリスクは低減されてきているようです。

また上記申し上げていたような「壁に穴を開けたくない」状況の中で少しの穴をも確保できなかった場合は、配線を諦めるケースもあります。

 

モール処理を施す

電気コンセントや情報コンセントから接続されたLANケーブルはどうしても壁際からのスタートとなるため、LANケーブルの露出を避けるためにモール処理を行います。

また、フラットケーブルが使えないケース(人の往来が激しかったり・椅子や机の脚が置かれていたりするようなポイント)においては、床上にモールを貼り、その中にLANケーブルを通過させます。

 

モール処理が必要なケース

モール処理は壁や壁際に敷設したり、床上に敷設したり、施工後の外観はあまり良くないのですが、LANケーブルの露呈防止や保護のために使用されます。

空配管を通過してきたLANケーブルは、床下・天井・電気コンセントや情報コンセントから配線されるケースが殆どですが、天井やコンセント位置はLANケーブルが壁を通過しなくてはならない状況から、LANケーブルが露出して外観上見栄えがあまりよくありません。

また、壁の位置からLANケーブルが伸びていると、たゆんだケーブルへ人やものが引っかかり、転倒や断線などの事故を招いてしまいます。

モール処理を行うことで、LANケーブルを壁にきっちりと密着させ、景観上も多少は良くなり、人や物とLANケーブルを同時に保護します。

 

モール処理のメリット

前述のようにモール処理には、単にLANケーブルが天井やコンセントから露呈した状況よりも外観上の見た目が良くなるメリットがあります。

また、壁や天井に密着させる施工を施すことでLANケーブルに対して人や物が接触する状況が減り、怪我や事故の防止につながります。

LANケーブルの行き着く先には、ほとんどの場合、パソコンやネットワーク機器、プリンタなどの電気が必要となる状況があり、電気ケーブルとLANケーブルを一緒にモールへ収納することで、電気と通信の両方のルートが確保できます。

また、床上に関しては床上モールがあり、2本程度から14本程度までの複数のLANケーブルを保護しつつ、各ポイントまでの配線を実現できます。

パーツを組み合わせて縦横に分岐して展開したり、余りのモールを切断して丁度良い大きさにしたりなど、自由な展開ができます。

床上モールはアーチ型であることが殆どですが、フラットな形状をしており、つまづいたり転んだりするような危険も多少は改善されます。

若干の景観は落ちますが、踏みつけたり、物が乗っても頑丈であるため(重量によりますが)、数本の配線から複数本の配線、または電気ケーブルやほかのケーブルと混同させるなど、オールマイティに対応出来る特徴があるのも、メリットの1つです。

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