電気配線工事は自分でできるものなの?DIYは絶対にしてはいけない3つの理由!

電気工事 DIY 絶対ダメ

おふくろう君
おふくろう君

電気工事は、専門の資格がないとやってはいけないんだ。
今回の記事では、電気工事はなぜ資格がないとできないのか?
自分でできる電気工事の範囲はどこまでか?
詳しく見ていこう。

DIYを趣味にして、自分が考えたものを作る楽しさにハマる人が多くなっているようです。

自宅や店舗のインテリアを自分で改装する人も増えていますね。

ホームセンターに行けば材料が揃うことから「棚にちょっとした照明をつけてみたい」とか、「ネットで見たらできそうだから配線工事もやってみたい」と電気に関わる作業に足を踏み入れようとする方もいるようです。

でもちょっと待ってください。

電気が関わる工事は、自分でできることと電気工事士でなければやってはいけないことがあります。

そこで、今回は電気配線工事をDIYで絶対にやってはいけない理由と自分でもできる電気の工事についてお教えします!

電気工事を自分でしてはいけない理由

電気工事 自分でしてはいけない理由

DIYの経験を積んでいる方や建築に関わる仕事に携わっている方のなかには、現場で電気工事をみて自分でも電気工事くらいできるのでは?と考える方がいるかもしれません。

ちょっと見たらできそうな工事でも、素人が絶対に電気工事をしてはいけない理由が3つあります。

電気工事には資格が必要!

電気工事 資格が必要

電気工事は「第一種電気工事士又は第二種電気工事士免状の交付を受けている者でなければ、一般用電気工作物に係る電気工事の作業に従事してはならない。」と「電気工事士法」で定められています。

  • 電気工事士でなければ電気配線工事をしてはいけないと法律で規定されている。

これが素人が絶対に電気工事をしてはいけない1つ目の理由です。

電気工事士法には無資格で電気工事を行うと罰則が科されるともあります。

驚かれるかもしれませんが、無資格での電気工事には「3万円以下の罰金、または3カ月以下の懲役」が科されるのです。

更に電気工事に関わる法律に「電気工事業法」というものがあります。

この法律の中では、登録しないで電気工事業を営むことや登録授業者でも無資格者に電気工事をさせた場合にも罰則が科されるとあります。

事業者として備えていなければならない器具まで規定されていいて、これも守らないと罰金が科されます。

つまり無資格では、自宅や店舗・オフィスの電気工事を自分でやることも、「DIYが趣味なんだから頼むよ」と依頼されて電気工事ををすることも、絶対にやってはいけないのです。

感電や漏電・火災の可能性大!

感電 事故

DIYで電気工事をすべきでない二つ目の理由は、

  • 人身事故の危険がある

ということです。

その危険の一つが感電です。

ブレーカーを落としたつもりでも、実際には作業したいところのブレーカーが落ちていなかったということがあります。

結果として電線を加工しようとしたら感電するのです。

さらに、作業がうまくいっても、ブレーカーを上げてコンセントを触ったらビリっときた、というような事例もあります。

「100Vくらい大したことないよ。」と思う方もいるかも知れませんが、その100Vで、毎年、電気工事士が感電により大怪我を負う、もしくは死亡するという事故が起きています。

普段から注意して作業している電気工事士でも事故が起きることがあるのですから、資格がないのに安易に作業すべきではありません。

それなら電気が通っていないことをしっかり確認すれば大丈夫、と思わないでください。

作業が順調に進んでいるようでも実際は大きな危険が隠れていることがあります。

それは漏電です。

これが電気工事をDIYですべきでない3つ目の理由、

  • 設備の事故

です。

漏電は電気が漏れてただブレーカーが落ちるという問題でも、気づかなければ電気は使い続けられるというようなものでもありません。

素人工事で起きる漏電や火災の事故は数多くあります。

例えば、電気がつかないのでブレーカーを上げても上がらない、おかしいと思って自分で工事したコンセントを外してみたら、なんと中が焦げていたという事例です。

これは火災一歩手前の本当に危険な事故でした。

他にもDIYで工事した後しばらくして、焦げ臭い臭がするので消防車を呼んだら壁の中で火がついていた、という事例もありました。

これは漏電が微量なのでブレーカーは落ちなかったものの、漏電箇所が熱を持って発火してしまったという事故です。

大げさな話と捉えないでください。

難なく作業しているように見える電気工事士は、いつも細心の注意を払って作業しているからこそ事故が起きないのです。

ですから、自分や家族の体や命を守るためにも、火災を起こさないためにも、資格がなければ電気工事は絶対にしないでください!

電気工事を業者に依頼する

電気工事 業者に依頼

おふくろう君
おふくろう君

事故や火災が起きてしまってからでは遅いよ!
電気工事は必ず専門業者に依頼するようにしよう!

「電気工事業者に依頼すべきだというのはよくわかった、でも面倒だし、費用がかかるのがちょっと…」と思うかもしれません。

確かに費用はかかりますが自分や家族、家の事を考えれば費用をかけてでも工事業者に依頼すべきです。

そこで、ここからは電気配線工事の流れと費用についてお教えしますね。

電気配線工事の流れ

店舗やオフィスの改装、自宅のリフォームなどであればどんな工事が必要か工務店に相談して、工事一式をまとめてお願いできるかもしれません。

でも、ガレージにコンセントや照明を増設する、部屋の照明をシーリングライトからダウンライトに変更するなど、「DIYでもやれるかも」と考えるような工事ならどうでしょうか。

直接電気工事業者に依頼するときの基本的な流れは、下記のとおりです。

  1. 電気工事業者と施工内容を打ち合わせる。
  2. 現場の調査を依頼する。
  3. 工事内容をいくつかの業者で相見積もりを取る。
    業者を決定し施工を依頼する。
  4. 施工する。

くどいようですが、電気工事士でなければ許されていない工事は自分でしようとせずに電気工事業者に依頼してください。

電気配線工事にかかる費用

いざ電気工事業者に依頼しようと思ったとき、一番気になるのは費用ですよね。

確かに電気工事の費用を算出するのは簡単ではありません。

電気配線工事は建物の構造や距離などによって大きく変わってくるからです。

とはいえ一般的な相場は次のとおりです。

  • 木造で照明やコンセントの増設を伴う屋内配線工事:12万円〜

ただし、鉄筋コンクリート造りの建物だと費用が数倍になることもあります。

木造であっても、穴あけ工事のような特別な工事発生すると費用は高くなります。

費用についてはいくつかの電気工事店に見積もりを依頼し、相見積もりすると適正な価格で工事を依頼できます。

家電量販店のなかには電気工事を行ってくれる店もあります。

器具の購入と合わせて安く依頼できると思うかもしれません。

しかし、工事に来るのは下請けの電気工事業者です。

自分の要望通りに施工してもらうなら、やはり直接電気工事業者に依頼するほうがよいでしょう。

たしかに、電気工事業者に依頼すると費用が少し高めに感じるかもしれません。

でも、直接打ち合わせをしっかりとコミュニケーションを取れますし、良い提案をしてくれることもあります。

とはいっても知り合いにも電気工事業者はいないし、もう少し詳しいことが知りたいと思われるようなら、ぜひ一度オフィスクローザーにご連絡ください。

安心していただける電気工事のお手伝いをいたします。

自分でできる範囲の電気工事とは

自分でやって良い電気工事

おふくろう君
おふくろう君

電気工事でも自分でできる物もあるんだ。
スイッチカバーの交換や電球の交換などは、自分でやっても良い電気工事だよ。

最初にDIYで電気工事をやってはいけない理由をお伝えしました。

そもそも資格がなければやってはいけない工事ですが、電気工事士法では資格無しでも行える電気工事について以下のように取り決められています。

  • 電圧600V以下で使用する差込み接続器、ねじ込み接続器、ソケット、ローゼット、その他の接続器または電圧600V以下で使用するナイフスイッチ、カットアウトスイッチ、スナップスイッチその他の開閉器にコードまたはキャブタイヤケーブルを接続する工事。
  • 電圧600V以下で使用する電気機器(配線器具を除く。以下同じ) または電圧600V以下で使用する蓄電池の端子に電線(コード、キャブタイヤケーブル及びケーブルを含む。
    以下同じ)をねじ止めする工事。
  • 電圧600V以下で使用する電力量計もしくは電流制限器またはヒューズを取り付け、または取り外す工事。
  • 電鈴、インターホン、火災感知器、豆電球その他これらに類する施設に使用する小型変圧器 (二次電圧が36V以下のものに限る)の二次側の配線工事。
  • 電線を支持する柱、腕木その他これらに類する工作物を設置し、または変更する工事。
    地中電線用の暗渠または管を設置し、または変更する工事。

専門的であったり一般的に使わない用語なので、よくわからないですよね。

ここでは資格がなくても行える電気工事を取り上げます。

照明器具や電球の交換

電球交換は資格がなくてもできる作業です

ただし、蛍光灯型LEDや電球型LEDへ交換しようと思う場合、ランプの仕様や注意書きを必ず確認してください。

照明器具によってはLEDランプに対応していないものがあります

蛍光灯を交換するときも同じような注意が必要です。

同じ蛍光灯でも色の違いや種類の違いがあります。

特に種類の違いは照明はつくけど寿命が変わる、ということもあるので器具の説明書をよく読んでから購入・交換を行ってください。

ちなみにDIYのレベルでは該当しないと思いますが、電球交換でも600Vにを超えるものに関しては電気工事士でないと行えません。

照明器具の交換の場合、引掛けシーリングやローゼットという接続器具を使って設置する器具は自分で交換することができます。

ただし、配線を直接つないでいる照明器具の交換には電気工事士の資格が必要になります。

家電量販店やおしゃれな雑貨屋などで照明器具を購入する場合、自分で設置できる引掛けシーリングやローゼットで設置するタイプか、確認してから購入してください。

コンセントカバーの交換

最近ではホームセンターや雑貨屋で、おしゃれなコンセントカバーが販売されるようになってきました。

今のカバーに上から貼り付けるタイプなら全く問題ないことは言うまでもありませんが、今のカバーを外して交換する場合も資格は不要です。

ただし、ネジを付け替える場合などはコンセントボックスの中にある配線を傷つけないよう、付属のものか元々ついていたものを使ってください。

ネットでも交換方法などを見つけることができると思いますので、おしゃれなものをつけて楽しんでくださいね。

インターホンの配線

電気工事士法で規定されている軽微な工事には、二次電圧が36V以下のインターホンの二次側の配線も含まれています。

これは親機(室内側の本体)から子機(玄関外機器)側の配線です。

親機の交換も、電源をコンセントにプラグを差し込めるようになっているものや乾電池式のものであれば資格がなくても作業できます。

ただし、親機に直接100Vの配線を接続するようになっている場合、インターホン親機の交換は有資格者の作業範囲となるので注意してください。

ですから、今までは呼び鈴だったものをインターホン(乾電池かコンセントの給電)に変更する場合の設置と配線はDIYで行うことができます。

まとめ

おふくろう君
おふくろう君

電気工事は専門業者に依頼することが絶対だよ!
安易な判断により命を落としてしまうこともあるから、やっても良いかわからない電気工事は、必ず専門業者に依頼するようにしよう。

DIYで何でも自分で作業してみたいという方には、電気工事は一つの壁になります。

電気工事は材料さえあれば簡単にできそうですが、不用意に作業すると自分や家族が怪我をしたり、最悪の場合、命を落とすことさえあります。

さらに火災が起きることもあるのです。

できそうだからといって、DIYで電気工事は行わないようにしてください。

とはいっても、電気が関連している工事でも自分でできるものもありますので、できる範囲内の工事を楽しむのはいかがですか。

もしどうしても電気配線工事も行いたいなら、電気工事士の資格取得を目指してみてください。

ただし、やってもよいということと、やっても安全ということは違います。

安全と安心のためには経験のある信頼できる電気工事業者に依頼してください!