アンペアの容量変更は電気工事業者に頼める?電力容量を変更するのに必要なこととは?
ブレーカーが落ちてしまうことが多い場合、アンペアの容量が足りているのか、不安になってしまうよね。
今回の記事では、アンペア変更を行う場合の手続き方法や費用について、詳しく見ていこう。
電力自由化や省エネのニュースを聞いたり、ブレーカーが落ちるなどの出来事があると今の電気の契約は適正なのか?と考えることはないでしょうか。
とはいっても、そのときは考えるけどなんとなく面倒でそのままにしているという方も多いかもしれません。
しかし適正なアンペアで契約しておくと容量が足りずに業務や家事に支障が出ることもなくなりますし、多くの電力会社が基本料金を契約アンペアによって設定しているので、電気代の節約になる場合もあります。(関西電力・中国電力・四国電力・沖縄電力管内ではアンペア制ではないのでアンペア変更で節約にはなりませんが…)
アンペアの変更は簡単と聞くけれど、実際に検討を始めると「契約アンペアはどんな時に変更したらよいか」「いざ変更するとして実際何をしなければならないか」など疑問が湧いてきませんか。
そこで今回は電気契約のアンペア変更にについて、変更が必要なケースや変更するために必要なことをお教えします!
パッとみでわかる目次
アンペア変更が必要なケースとは
アンペア変更を考える理由として、今の契約では容量不足で困っている、電気代を考えると今のアンペアが必要か、大きくこの2つに分けられます。
どちらにしても今の契約アンペアが適切でないと感じているなら、変更を検討すべきです。
ブレーカーが頻繁に落ちる
家庭であればブレーカーが落ちて困ることは少ないかもしれません。
予約していた録画が途中で切れた。
ゲームが落ちるなど自分の問題です。
もちろんこれも問題ですが、使っていた機器のスイッチを切って分電盤でブレーカーを上げれば正常に戻ります。
でも、これがオフィスや店舗ならブレーカーが頻繁に落ちるのは大問題です。
パソコンの電源が落ちてデータが壊れる、パソコンやサーバ自体が壊れるなど業務に支障をきたします。
場合によっては会社の信頼を損ない死活問題になりかねなません。
店舗でも業務が止まってお客様に迷惑がかかるなど問題が発生します。
ひどい場合はSNSで残念な評判が拡散されてしまうかもしれません。
もし空調機器の使いすぎなどでブレーカーが落ちるなら、温度設定を変更したり個人で対応してもらうなど使い方を工夫することで解決できるかもしれません。
でも季節に関わりなく電気機器を工夫して使用してもブレーカーが落ちるなら、すぐに契約アンペアを変更を考えてください。
電気代が高い
今の御時世、家庭でもオフィス・店舗でも出費はできる限り減らしたいですよね。
光熱費などを下げることがいつも頭の片隅にあるという方もいるかも知れません。
確かにブレーカーが落ちることほど急を擁する問題ではありませんが、過剰なアンペア契約は基本料金を高く払っているだけです。
節約をしたいなら早めにアンペアを減らすことを検討しましょう。
ただし、費用を削ることには成功したけど、必要な時に容量が足りないということにならないよう慎重に判断してください。
アンペアを変更しても変わるのは数百円という電力会社がほとんどです。
アンペア変更前に必要な事
アンペアを変更する場合には、必ず大家さんや管理会社へ連絡をして、許可を得るようにしよう。
建物に合わせた適切な容量であるかどうかを確認する事も大切だよ。
現状を検討して契約アンペアを変更したほうがよいと判断したら、手続きを進める前にしなければならないことがあります。
賃貸物件であれば大家さんや管理会社への確認、分譲マンションなら管理組合への確認をしなければなりません。
加えて現状にあった契約アンペアを把握することです。
アンペアを下げるのであれば簡単に手続きを進めれられますが、アンペアを上げる場合はこれらの点はしっかり確認してください。
大家さんや管理会社に確認
賃貸物件でアンペア変更をしたいと思ったら、まず大家さんや管理会社に確認してください。
面倒と思えるかもしれませんが、集合住宅やテナントだと建物全体としての最大容量が限られている場合があります。
その場合、他の居住者やテナントの電気の使用量との兼ね合いがありますし、最大容量を超えた変更になると引込線やブレーカーの交換など大掛かりな工事が発生するかもしれません。
ですから建物全体の使用に関して把握している大家さんや管理会社に確認する必要があります。
戸建てのように建物すべてを借りていても必ず確認してください。
現状のアンペア契約に理由があるかもしれません。
何より退去時は原状回復が基本なので、不要な問題が起きないためにも確認はしておくことは重要です。
分譲マンションの場合もテナントと同じように確認が必要になります。
建物全体としての容量が決まっているので管理組合への確認は必須です。
変更を行えるとしても組合への申請が必要となる場合があるのでどんな手続が必要かの確認を忘れないようにしてください。
適切な容量を把握する
契約アンペア変更の手続きする場合、増やすならどれだけの容量が必要か、減らすならどこまで減らせるのか、まずは適切な容量を把握することが重要です。
まず現状の契約アンペアを確認することからスタートします。
簡単に確認する方法は検針票に記載された契約アンペアを確認することです。
他に電気契約にアンペア制を取り入れている東京電力や中部電力の管内では、分電盤内に設置しているアンペアブレーカーを確認する方法もあります。
このブレーカーにアンペア数が表示されていたり色分けがされたりしています。
参考までに東京電力管内のアンペアブレーカーの色分けは下記のとおりです。
色 | 赤 | 桃 | 黄 | 緑 | 灰 | 茶 | 紫 |
A | 10A | 15A | 20A | 30A | 40A | 50A | 60A |
現在の契約アンペアがわかったら、次は本題の適切な容量の計算です。
アンペア契約を取り入れている電気会社のほとんどが10A単位で契約を増減できます。(東京電力では10A〜20Aの間に15A契約があります)
この点を踏まえて使用している電気製品の最大電流を基に必要なアンペアを計算してください。
最大電流で稼働している時間は短いですが、絶対にブレーカーを落としたくないオフィスや店舗は最大電流を基準に計算することをオススメします。
いくつか適切な容量設定の事例を取り上げますので参考にしてください。
日常的に使用する電気製品の最大電流の合計が31Aなら、当然、40Aの契約をしておかなければなりません。
では使用する電気製品の最大電流の合計が38Aならどうでしょうか。
悩むところですね。
この場合、家庭ならこまめな調整ができるので40Aでよいかもしれません。
でも、オフィスや店舗はそうはいきません。
ブレーカーが落ちることは決して避けたいでしょうから、50Aにしておいた方が安心です。
人や設備が増える可能性を考えても少し大きな容量で契約しておくことをオススメします。
適切な契約アンペアが60Aより大きくなることがあるかもしれません。
その場合は容量を上げるには契約種別を変更しなければならなかったり、設備を変更する工事が必要になる場合もあります。
適切な容量をしっかりと把握できるよう、参考までに以下に家庭やオフィスにある主な電気製品のアンペアの目安を挙げます。
- エアコン:5.8A(冷房)6.6A(暖房)
- 冷蔵庫:2.5A
- 電子レンジ:15A
- テレビ(液晶42型):2.1A
- 掃除機(強):10A
- IHコンロ:20〜30A
- 洗濯機:2A(洗濯)・13A(乾燥)
- パソコン:2A(デスクトップ)・1A(ノート)
- 複合機:12A
- シュレッダー:3A
上記はあくまで目安です。
オフィスなど電気の使用量の設定がシビアな場所では機器の説明書や仕様を確認して正確に計算してください。
これらの点を考慮して、現在の契約アンペアが過剰であれば契約を下げるようにしましょう。
基本料金の数百円程度ですが節約できます。
もし現在の契約アンペアでは足りないなら契約アンペアを上げることを検討してください。
電気工事のアンペアを変更の工事とは
アンペアを変更する場合には、ブレーカーを交換する必要があるんだ。
設備工事が必要になる場合には数十万円の費用がかかってしまうこともあるよ。
アンペア変更で必ず行う基本的な作業はアンペアブレーカーの交換です。
ただし関西電力・中国電力・四国電力・沖縄電力のエリア内ではアンペア制ではなく最低料金性が採用されているので、アンペアブレーカーは設置されていません。
しかしどの電力会社管内でも、契約アンペアを増やす場合、現状の設備次第では追加工事が必要になります。
それで、ここからはアンペア変更をどこに依頼するか、費用や工事の内容をお教えします。
アンペア変更はどこに依頼すべき?
アンペア契約を変更する場合は電力会社に連絡します。
担当窓口への電話やホームページから申し込むことができる会社もあります。
ただし、オフィスでも住宅でも容量を増やす計画なら、容量を増やしても分電盤や引き込み線がそれに対応できるか確認が必要になります。
事前に電気工事業者に設備を見て工事が必要かどうかや具体的な内容を見積もってもらうのがベストです。
電気工事のアンペア変更にかかる費用
アンペアブレーカーの交換工事は電力会社が行うため基本無料です。
ただし、アンペア変更に伴う設備の工事が必要なら、別途費用がかかるでしょう。
参考までに引込線の交換まで行った場合の相場で10〜20万円になります。
かなりざっくりとした相場ですが、距離や資材によって費用はかなり変わるので、電気工事業者に必要な工事内容の調査と見積もりを依頼することをオススメします。
アンペア変更工事の内容
前述したように、アンペアを増やすにしても減らすにしても基本的にはアンペアブレーカーの交換工事を行います。
電力会社から委託を受けた工事業者が実施する簡単な工事で、所要時間は30分から1時間くらいです。
ただし、契約をアンペアを上げる場合は分電盤内にある漏電ブレーカーの確認も必要です。
もし新たに設置したアンペアブレーカーよりも少ないアンペアの漏電ブレーカーが設置されているなら交換工事が必要になります。
なぜならアンペアブレーカーを40Aのものにしても、その後に付いている漏電ブレーカーが30Aなら、結局30Aしか使えないからです。
最低料金制を採用している電力会社の管内で使用するアンペアを上げたいなら、漏電ブレーカーをより容量の大きいものに変更する必要があります。
宅内で使えるアンペアは漏電ブレーカーのアンペアで決まるからです。
さらに60Aを超えるアンペアの契約を依頼する場合は、契約内容の変更とともにアンペアブレーカーから主開閉器への交換が必要になります。
この場合はどの電力会社管内かによって工事を担当する業者や内容が違うので、まずは電力会社に問い合わせてください。
もし宅内が何十年も前の電気設備の場合は、引込線の張替え・電力メーターの交換・分電盤の交換など少し大掛かりな工事が必要になる可能性があります。
まとめるとアンペアを減らすならアンペアブレーカーの交換のみ、増やす場合は一度見積り無料の電気工事業者に依頼して見てもらうことをオススメします。
まとめ
アンペアの変更は、ただ電気会社に依頼すれば良いわけではなく、管理会社や大家さんに連絡をしたり、大掛かりな工事が必要になる可能性もあるということがわかったかな?
使用容量や建物に合わせて、適切なアンペアを選択することが大切だよ。
アンペア変更は比較的簡単!と思っていた方も多いと思います。
でも引き続き安心して電気を使うには確認しておくべきことが意外と多いですよね。
電気料金を節約したいなら、契約アンペアを減らすのは少額の節約とはいえ確実な方法です。
でも変更してから「やっぱりアンペアが足りなかった」ということがないよう普段使用する機器のアンペア数を事前に確認してください。
契約アンペアを増やすことを検討しているなら、設備が対応できるものかを確認する必要があります。
工事が必要かどうかは専門の電気工事業者に調査してもらいましょう。
もし集合住宅や賃貸住宅・テナントで工事が必要なら、管理組合や管理会社に確認が必要です。
普段の生活や仕事で過不足なく電気を使用するには、契約アンペアを適切に契約することがカギとなります。
この記事を参考にして安全、そして安心して電気を使ってください!