どっちのLANケーブルがイチバン!?カテゴリー6 vs カテゴリー7!

対決、カテゴリー6VSカテゴリー7LANケーブルは、有線LANの配線工事の見積書や、ふとした時に市販のLANケーブルを購入してみたりと、現在の生活やお仕事の中ではごく「当たり前にある」ケーブルの一つとして定着しています。

見積書やLANケーブルのパッケージに記載されている「カテゴリー」という記述と据置のナンバーは、素人目で見ても「どのナンバーがいいのか?」は判断できないことが多々あります。

ここでは、カテゴリーナンバーと、その歴史を紐解き、最新メジャーのカテゴリー6と7の違いや性質についてを解説していきます。

 

そもそもLANケーブルのカテゴリーって何?

LANケーブルのcategoryってなんだろう?LANケーブルのカテゴリーというのは、どういう意味なのでしょうか。

なんなら、iPhoneやWindowsみたいに、バージョンでも良いような気がします。

しかし、LANケーブルのカテゴリーとは、ソフトウェアやハードウェアの性能や機能とは少し違う性質を持っています。

例えば、カテゴリー5eの構造と、カテゴリー6の構造は、基本的なところで同じなのですが、ケーブル内に収容されているシールドの処理方法が全く異なっていたり、規格としても伝送速度や帯域などが違っていたりします。

カテゴリーの数値が高いほど高性能ではありますが、だからと言って、高性能なものだけを取り揃えるような真似をしてしまうと、コストパフォーマンスや規格に矛盾が生じてしまい、かえって損をしてしまう結果になりかねません。

カテゴリーナンバーには、規格として定められた経緯と性能が存在します。

 

カテゴリー5e 以前のLANケーブルについて

LANケーブルがパソコンのネットワークに使用できるようになるまで、ネットワーク通信は主に同軸ケーブルと言われる、片方向通信に特化したケーブルを使用しておりました。

この同軸ケーブルは、現在でも、テレビカメラなどのアナログ端子にも使用されています。

しかし、片方向通信しかできない(送受信を同時にできない)上、伝送速度は10Mbps程度という制限がありました。

LANケーブルが市場に初めて登場したのは、カテゴリー5が登場した頃です。

今まで単線であった導線は6~8本に増え、正確には、6本の導線を使用することで、双方向通信が実現できるようになりました。

100Mbpsという、当時では「もうこれ以上必要ないだろう」と思われる位、高速なパフォーマンスを維持していました。

カテゴリー5を筆頭にLANケーブルが台頭し、NIC(Network Interface Card)やネットワーク機器が次々とカテゴリー5準拠としての製品がメジャーになった頃、今度はカテゴリー5eという、カテゴリー5の強化版が出てきました。

カテゴリー5eは導線8本をフル活用し、1000Mbpsを確保することができるという、カテゴリー5の10倍の性能を持ち、ちょうど、100Mbps以上の処理速度を確保しつつあったハイエンドPCやサーバ機器は、すぐにカテゴリー5e準拠のNICに乗り換え始めました。

また、カテゴリー5eは5との下位互換性があり「5e化した後に、周辺機器の5e化を待つ」という運用が実現できたのです。

現在では、いずれの機器も1000Mbps対応となり、今日のネットワークを支え続けています。

 

カテゴリー6の登場とその躍進

いつの間にかカテゴリー6が登場しましたが、当初は「いまいち日の目を見ない存在」でした。

カテゴリー6は、カテゴリー5eと比べてシールドが強化され、1000BASE-Tから1000BASE-TXへ格上げとなり、1000Mbpsの通信時にも、柔軟な双方向通信ができるようになりました。

ですが、伝送速度が1000Mbpsと、カテゴリー5eとさして変わらず、導入の必要性に欠けていたのです。

思った以上に需要がなかったことから、メーカー独自の準拠である、カテゴリー6eが登場します。

このカテゴリー6eは、10Gbpsの伝送速度を初めて可能とした性能を持っていました。

後に、カテゴリー6AがTIAとEIAによって制定され、現在ではこちらがメインストリームとなりつつあります。

 

遂に出てきた、カテゴリー7!その底力とは?

カテゴリー6eか6Aか、という議論が行われていたころ、早々にカテゴリー7が出てきました。

伝送速度はなんと、10Gbps!カテゴリー6A/6eと変わりません。

何が違うのかというと、ケーブルシールドを二重にコーティングし、コネクターもGG45という、メタル部品に取り換え、外部ノイズを低減させ、周波数も500MHzから600MHzと、若干伸びています。

こちらは外部ノイズへの耐性に優れているため、データセンター等のネットワーク機器やサーバ機器周辺の用途として使われていることが多いのです。

 

徹底比較、カテゴリー6 vs カテゴリー7

カテゴリー6とカテゴリー7を徹底比較してみよう近年でメインストリームとなりつつあるのは、カテゴリー6Aとカテゴリー7のいずれかであることが何となくわかります。

当然、性能や構造が抜本的に改革されている、カテゴリー7の性能は目を見張るものがありますが、コスト面ではカテゴリー6Aに采配が上がりそうです。

 

速度かコストか

カテゴリー6Aの通信速度と、カテゴリー7の通信速度は「余り変わらない」というのが最初に挙げておきたい結論です。

しかし、カテゴリー7が最大限にパフォーマンスを発揮するのは「多量のデータ通信において、ほんの少しのボトルネックとなってもいけない」という、過酷な環境下での性能を期待されている一面があります。

それゆえに、二重のシールド機構に単線の導線を使用し、GG45のメタルアダプタを採用するなどの、徹底した装備を行っているのです。

正直な話、カテゴリー7をオフィスネットワークに使用するというのは、あまりお勧めできません

クライアントPCが「LANケーブルの性能によって不具合を受ける確率」は、カテゴリー5eを使用している状況下でも、微々たるものです。

ネットワーク環境は、主に「機器間で会話をしながらデータ送受信を行う」TCP通信と、「一方的に送受信し、微々たるパケットロスを無視する」UDP通信に大別されますが、対話型の通信で主に使用されているのはTCP通信です。

TCP通信は3Way Handshakeと呼ばれる、対話型の通信を行いますが、その機能は、エラー検知/修正機構も備わっており、例えば、パケットロスを引き起こした通信に関しては、複数回、再送してくれます。

この機能によって、パケットの完全性が保たれているため、微々たるパケットロスだけでダウンロードが途絶するなどの障害が発生しにくい事情があるのです。

このフォローによって、カテゴリー7の完全性を主に見た仕様は、もはや副次的な要素なのかもしれません。

コスト的にも、カテゴリー7の導入費用はカテゴリー6Aの数倍を要するため、オフィスネットワークの今後の展開としては、コストパフォーマンスに優れたカテゴリー6Aを採用するのが適切なのかもしれません。

 

ネットワーク機器やサーバ/クライアントNICとの互換性は?

今日のネットワーク機器やサーバ/クライアントにおける、NICは、1Gbps対応のものが殆どであり、例え10Gpbsの回線速度を用いたとしても、彼らによって1Gbpsの速度にグレードダウンしてしまいます。

殆どのLANポートは、相手が確保出来る通信速度やLANケーブルの仕様を瞬時に判断し、適切な回線速度を維持してくれる、MDI/MDI-Xという機能を有しており、状況によって、回線速度の調整を行ってくれます。

カテゴリー5がカテゴリー5eへ柔軟に推移してきた時と同じように、最初にLANケーブルのみがカテゴリー6A/7準拠のものに変更され、おいおい、ネットワーク機器やNICなども、その準拠に合わせたものがリリースされていくことでしょう。

 

あれれ?5eにコストパフォーマンスで勝てない!カテゴリー6/7の今後の進展

パフォーマンス上で最大限の能力を発揮してくれるカテゴリー7は言わずもがな、コストパフォーマンスに優れたカテゴリー6Aとはいえ、カテゴリー5eが有するコストパフォーマンスには勝てません

前述のように、ネットワーク機器やNICがまだ1Gbpsの速度しか確保できないことにより、機器のほうがボトルネックとなってしまうからです。

プライベートクラウド上のデータセンター用途や、局所的に通信が集中するサーバルームであれば、考慮に余地があるのですが、カテゴリー6A/7を現行利用とするのは、少々オーバースペック気味であると言わざるを得ません。

また、カテゴリー7はGG45というメタルアダプタを使用していますが、これの口径が少々大きく、機器によっては、ジャック出来ないという事態に陥る場面も散見されています。

 

カテゴリー6、カテゴリー7、それぞれの役割と今後について

どこにどう繋ぐ?category6とcategory7「結局、カテゴリー6A/7って、必要なの?」という議論に発展してしまいましたが、ここでは、カテゴリー6A/7が今後期待される未来予想図についてを解説していきたいと思います。

カテゴリー6Aもカテゴリー7も、今後予測されるハードウェアやソフトウェアの進化を先取りして、規格が定められています。

 

オフィス用途へと浸透してゆくカテゴリー6

category6断面図前提として、カテゴリー6Aを使用するためには、NICやポートが100Mbps以上に対応できる規格であることが推奨されます。

ということは、古い規格を持つ機器であっても、カテゴリー6Aが導入済みのオフィスネットワークへ問題なく参加することができます。

このインフラの入れ替えから、徐々に10Gbps対応のOA機器が入れ替えられていくであろうという予測が立っています。

パソコン等の現況では、10Gbpsというデータ通信において一番のボトルネックとなっているのは、HDD(3~6Gbps)、CPU(3~4GHz)、そしてネットワーク回線という順序になります。

つまり、HDD(もしくはSSD)やCPUの処理速度が10Gbps(または10GHz)を超えない限り、10Gbpsという回線速度は到底実現できない、ということになるのです。

カテゴリー6Aという規格は、現行のハイエンドPCに匹敵して余りあるアドバンテージを有しているということになるのです。

 

サーバ用途にて高速環境をゆくカテゴリー7

category7断面図一方、カテゴリー7のアドバンテージは、厳重なシールド機構にあると言っても他なりません。

このシールドによる「外部ノイズからの影響を受けにくい」状況は、現行の光ケーブルの悩みどころ(外部ノイズの影響を受けやすい)を解決してくれます。

データセンター等のサーバルームで、最もトラフィックが発生しやすいのは、ネットワーク機器間のスタック接続であったり、DMZ内における、サーバ間の情報交換などの処理があてはまります。

RJ-45からGG45への置き換え、取り回し辛さ(カテゴリー7は複数のシールドや、導線が単線であることから、固く、折り曲げにくい構造となっています)などの課題もありますが、サーバ内で少しずつ浸透していくケーブルとなっていくことでしょう。

 

まとめ

まとめカテゴリー6シリーズは、6Aが正規の準拠であり、今後のオフィス用途としての展開が期待されます。

しかし、その伝送速度10Gbpsという性能は、少々オーバースペック気味であり、ネットワーク機器やパソコンのNICの性能が追いついていない、というのも、現状です。

一方、カテゴリー7シリーズは、データセンターやサーバルームにおける用途を目して設計されているため、外部ノイズへの耐性に優れ、屋内の光ファイバー通信から、徐々にそのシェアを奪いつつあります。

両方ともに、特性があり、当てはまる用途があってこそのカテゴリーシリーズなのです。