防犯カメラのレコーダーへ記憶される録画時間はどのくらい?運用上必須な録画時間を算出しよう

防犯カメラの録画時間防犯カメラを導入するにあたり、レコーダーの録画時間については、副次的ですが重要な要素の一つです。

「万が一のこと」があった際に、証拠保全していた、というシナリオが得られるのは、「万が一」を発見した際に、レコーダーの保存領域がその範囲をカバーしていたとき、という状況です。

その範囲は一般住宅では「概ね1週間から10日ほど」、お店や事業所などでは「1週間から1か月ほど」と言われています。

欲を言えば45日あれば安心でしょうが、保存期間31日と考え、機器を選定していくのが望ましいでしょう。

 

レコーダーの記憶媒体とはどんなもの?

HDDとSSD、防犯カメラのレコーダーにふさわしいのは?レコーダーの記憶媒体は概ね、HDD(ハードディスクドライブ)といわれる、大記憶領域に適したパーツが使用されます。

DVD映画1本の容量が2時間分4GByteだと考え、選定したHDDの容量が例えば1,000GByteだとすると、超概算で500時間は録画できてしまうことになります。

しかしこれはざっくりとした数値にすぎず、様々な要因や技術で、大幅に上下していきます。

 

HDD、SSD、記憶媒体の特徴とそのコスト

HDDの構造は、何層にも重ねたアルミニウムの円盤(プラッタといいます)を、ヘッドと呼ばれる針で読み込み・書き込みするというしくみです。

HDDは徐々に壊れ、激しい衝撃などでプラッタが摩耗し、徐々に読み込める領域が減っていきます。

耐用年数は半年から5年ほどと言われておりますので、後述のRAID構成と、定期的なHDD交換のメンテナンスが必要です。

SSD(ソリッドステートディスク)は、SDカードやフラッシュメモリを大容量にしたようなものです。

HDDのように扱え、衝撃に強いという特徴を持っています(決して、壊れないという意味ではありません)。

また、発熱せず、レコーダー筐体の耐久性を維持するという意味では、優秀なディスク装置です。

しかしHDDと比べてかなり高価であり、市場価格については、HDDと比べると約7.7倍だといわれています。

 

RAID構成ってなんだろう?

RAID構造とは、一つの論理領域(約束された保存領域)が1,000GByteだとすると、複数のHDDやSSDにてその領域をサポートする仕組みです。

例えば、1,000GByteの論理領域をバックアップしながら運用するという考え方はRAID1と呼ばれ、2つのディスクに全く同じものを書き込む、ミラーリングという方式をとります。

このミラーリングにより、ディスクのうち1台が破損しても、継続して運用が可能です。

RAID2は1,000GByteの論理領域に対し、2本の500GByteのディスクを使用し、相互に読み込み・書き込みを行っていくという、ストライピングという方式をとります。

これにより、ディスクの速度が増加するというメリットが生まれますが、RAID1のようなバックアップ機能を持っていません。

最も優れている構成と言われるのが、RAID5です。

1,000GByteの論理領域に対し、3本の500GByteのディスクを使用します。

2本のディスクはデータを保存しますが、1本のディスクはパリティビットと言われる補助データを保存します。

もちろん、1本のディスクが破損しても運用を継続することができますし、3本構成のため、データの取り扱い速度はRAID2(ストライピング)よりも高速です。

RAID0では、1,000GByteの論理領域に対し、2本の500GByteのディスクを使用します。

安価な低容量ディスクを合わせて一つのディスクに見立てることができます。

上記のRAID1もしくは、RAID2もしくは、RAID5と組み合わせて使用する事で、安価で特別な機能を持つ、RAID10(1+0)、RAID20(2+0)、RAID50(5+0)などの組み合わせが実現できます。

 

結局、どのような構成がよいのか?

欲を言えばSSDの方が良いに決まっていますが、コストパフォーマンスを鑑みると、まだまだHDDが主流の時代が今後もずっと続く未通しです。

また、データのバックアップを気にしており、転送速度などのパフォーマンスを重視したいのであれば、RAID5をお勧めします。

現在のレコーダー市場のほとんどでは、このRAID5を採用しております。

また運用上、ディスクが破損した場合は、ディスク交換だけで事態が解決するという強みがあります。

 

レコーダーの使い方で録画時間も変わる!動画の形式とオプション機能

フレームレートと動画フォーマットについてレコーダーの録画保存方式は、実に様々な方式をとることが可能です。

あわよくば、低保存量で高画質な動画の方式を選択したいものですが、画質や音質は、その保存容量と併せて比例していくのが常識です。

 

フレームレートってなんだろう?

フレームレートとは、FPS方式で数えられる「1秒あたりにどれぐらいのコマを用意できるのか?」という考え方です。

例えば、30FPSですと、1秒間あたりの動画を演出するために、30枚もの画像を使用することになります。

通常利用で30FPSがデフォルトだといわれていますが、かなり繊細な動画質をもとめるのであれば、60FPS以上が良いとされます。

60FPSの世界では、人間が毎秒当たりに確認できる静止画のコマの数を超えるため、通常再生の領域においては、最もなめらかな動きになるといわれています。

また60FPS以上となると、スロー再生時の視認画像も増え、より綿密な精査が可能となります。

しかし、防犯カメラにそこまでの性能を求めるのかと言われると、疑問が残るところです。

 

録画フォーマットはどんなものがあるの?

動画のコンテンツは、通常であればAVIやMOVなどと言われる方式で保存されます。

これは無圧縮の動画と呼ばれ、デジタルノイズや細部のボケが無い状態で保存されます。しかし、保存領域も莫大な量が必要とされています。

MotionJPEGでは、AVIやMOVの動画をフレームレートごとに1コマ1コマ切り取り、JPEGにて保存することで、容量の低減を行っています。

MP4では、Iフレームと呼ばれる、基礎の静止画1個を切り取り、これにPフレームと呼ばれる「動いた部分だけ」を貼り付けることで、MotionJPEGよりも高い圧縮率が得られるようになりました。

H.264はMP4方式をさらに発展化させ、MotionJPEGの80%、MP4方式の50%程度にまで容量を低減させています。

 

録画時間節約のためのオプション機能

今日の防犯カメラは、スケジュール機能による時間帯指定の録画が可能です。

また防犯カメラやレコーダーの機能の中には、モーションセンサーが付いているものも多く見られ、この機能を併用することで「被写体が動いている状態のみ、一定の時間録画する」という働きをします。

これにより、ぐんと録画容量が低減され、ディスク領域の圧迫を防ぎます。

しかし、モーションセンサーは「被写体が動作している状況を見抜く」判定に失敗することもあり、場合に寄っては、重要な動作が録画出来ていない可能性があることも考慮する必要があります。

 

実際に録画時間を計ってみよう

レコーダーの録画時間を計ってみよう検討している防犯カメラ及びレコーダーの録画時間が気になるのは当たり前のことです。

実際に、自分が導入を検討している防犯カメラが、一体どの程度の録画時間が可能なのかを見ていきましょう。

 

こんなサイトがおすすめ

下記のサイトであれば、前述に申し上げたような機能を鑑み、おおよその録画時間の算出が可能です。

ここでは、防犯カメラの台数やディスク構成から、録画フォーマット・保存形式を選択し、綿密な録画時間を計算します。

 

■防犯カメラ&レコーダー:録画保存日数計算

https://nvr.bz/consider/calc.php

 

しかしあくまで概算の録画時間ですので、モーションセンサー(イベント)などを完全にあてにしてはいけません。

こちらの出てきた算出結果よりも、若干余裕のある機器選定をしたほうが良いでしょう。

 

レコーダー選定の注意点

レコーダーはディスクの保存領域が丸々使用できるというわけではありません

オペレーションシステムとアプリケーションを擁するファームウェアという領域があり、機能改善やバグ対応などのアップデート、ログの保存などで、日々その領域は微増していきます。

ファームウェアやログの領域は概ね、50GByteから100GByteは確保しておくべきです。

この領域の使用部分プラス、動画保存領域がディスク容量の最大値だと考えた方が良いでしょう。

また複数台の防犯カメラ映像を保存するレコーディングや、防犯カメラ動画を最適な動画へ保存するコーデック、必要となった動画の切り出しやファイル移行などは、レコーダー個体の性能に大きく偏ってきます。

その使い勝手や性能の吟味については、導入業者にデモンストレーションを実施してもらうのが一番なのですが、満足いく性能と機能を持ったレコーダーなのか、機器仕様の確認をした方が良いでしょう。

 

補足(レコーダーの外部バックアップについて)

最近のレコーダーには、ディスク領域を外部ディスクへ丸々保存しておける、バックアップ機能も兼ね備えていることもあります。

万が一、ディスクやデータの破損により、レコーダーが使用できなくなるという事態に備え、リカバリが前提の外部バックアップを残しておくのも、優秀な一手です。

ましてや防犯カメラやレコーダーが事業用であれば、証拠保全は絶対条件であることも多いため、前向きに検討しておきたい要素です。

 

まとめ

まとめ防犯カメラの録画時間は、記憶媒体や動画に関連する、複数の技術や性能によって大きく変動します。

記憶媒体はSSDのRAID5構成、録画フォーマットはH.264を使用できればベストなのでしょうが、予算の都合や、製品の選定などの中でで再検討することもあるでしょう。

また今後の運用上、防犯カメラの増設や動画保存の形式を再検討する機会が訪れることもあるでしょうし、今後を踏まえ、少し余裕のあるスペックを選定したいという気持ちもあります。

しかしこれはあくまで「こういう性能を持った機器もあるよ」という、一つの選択肢に過ぎません。

防犯カメラとレコーダーの性能をよく吟味し、録画時間を考慮したうえで、機器を選定していくことをおすすめ致します。