LAN配線で使う「モール」って何?いまさら聞けないネットワーク・LAN工事の基本シリーズ!!
モールは、設置することでLANケーブルを守ることができるんだ。
今回の記事では、モールの種類や役割について、詳しく見ていこう。
ネットワーク工事において使用する道具に「モール」というものがあります。
LAN工事においては必須の道具ですが、名前を聞いてもピンとこない人もいるでしょう。
モールとは、こんな見た目のものです。
【引用元】https://shop.elecom.co.jp/Store/Product.aspx?JanCd=4953103451650
オフィスでも何気なく見かけることがあるのではないでしょうか。
今回は、そんなLAN工事の必須道具「モール」についてご紹介します。
改めて役割や使いどころについて、振り返ってみましょう。
パッとみでわかる目次
LAN配線で使用するモールにはどんな役割があるの?
モールは、LANケーブルが踏まれて断線してしまうのを防ぐほかに、ひっかけてつまづいてしまうのを防いだり、綺麗にまとめて景観を良くすることができるよ。
ではモールはLAN配線においてどんな役割を担っているのか、説明していきます。
モールはこのようにLANケーブルにかぶせる形で使うことで、LANケーブルを保護するための道具です。
【引用元】https://direct.sanwa.co.jp/ItemPage/CA-R50LBR
オフィス内の床上配線ではよく使われていますね。
ケーブル保護という目的に対しては、モール以外の方法も使われることがあります。
例えば天井裏配線や床下配線ですね。
ケーブル保護という目的に特化すれば、モールよりもこれらの方法を採用したほうが性能的には優れています。
ただオフィスというものは人の増減もあり、業務変化に応じてレイアウト変更も行われるものです。
天井裏配線や床下配線などはそれなりに工数がかかりますので、レイアウト変更のたびに配線しなおしていたらコストも時間もかかってしまいます。
そのため、オフィス内のLAN配線においては簡易にケーブル保護ができるモールがよく使用されるのです。
そんなにモールついて、役割の詳細を説明してきます。
露出してしまうLANケーブルを保護する
モールの第一の目的は、上述した通り「ケーブルの保護」です。
LANケーブルは衝撃に弱く、人に踏まれることにより断線してしまうことがあります。
断線してしまうと当然そのケーブルは通信できなくなりますので、断線するケーブルの箇所によっては大きな障害にもなりかねません。
特に人通りが多いところでは断線のリスクが高まります。
そのため、モールをかぶせることで踏まれてもケーブルを傷つけないようにしているのです。
乱雑になってしまうLANケーブルを整理できる
モールの目的として、乱雑になってしまうLANケーブルを整理するというものもあります。
オフィスには複数台のパソコンがあるでしょうから、LAN配線も増えてしまいがち。
それらをただ配線していると、壁や床を這うケーブル本数がとても多くなってしまいます。
また、オフィスにあるケーブルはLANだけではありません。
電源ケーブルや電話線などもあるでしょう。
それらが乱雑に広がっていると、ケーブル同士が絡み合ったりして断線してしまうリスクもあります。
モールを使用することで、ケーブルの通り道が定まりますので、ケーブルの乱雑さを解消することができるでしょう。
オフィス内の景観を損ねない
モールの役割として、オフィスの景観を損ねないという点も重要です。
オフィスは基本的に、人が仕事をしている場所だと思います。
ときにはお客様をお招きしたり、他社と打ち合わせをしたりなど、外部の人が出入りすることもあるでしょう。
人の目に触れるところは、なるべくきれいにしておくべきですね。
床でケーブルがぐちゃぐちゃになっていたり、壁からケーブルが垂れ下がったりしている景色は好ましくありません。
仕事をする場所を快適に保つため、また外部の方を不快にさせないためにも、モールを使ってケーブルを隠し、オフィスの景観を守りましょう。
モールにはどんな種類があるの?
モールは、床に設置するだけではなく、壁沿いに設置することができる種類もあるよ。
その他にも、ただケーブルを束ねるためだけに利用する種類もあるんだ。
モールの目的がわかったところで、ここからモールの種類について解説します。
モールの使いどころは主に2つあります。
- 壁
- 床
です。
非常にシンプルなアイテムなのです…
壁や床に、主に両面テープで取り付けて固定して使用します。
下記に詳細を解説していきますね。
壁面配線用モール
壁面に沿って配線する場合に使用するモールです。
【引用元】https://store.shopping.yahoo.co.jp/elecom/4953103137042.html#&gid=itemImage&pid=2
配線が目立たないよう、壁際に固定するために使用します。
一般的な形状は、4本のケーブルを並べて収容できるくらいのコンパクトサイズで、長方形のものが多いですね。
壁は床に比べ視界に入りやすい上に、固定しておかないとケーブルがゆらゆらと揺れてしまい、非常に見苦しくなってしまいます。
またLANケーブルは水色や緑色のものが多く、露出するとより目立ってしまいますので、壁面用のモールはなるべく壁の色に近いものを使い、目立ちにくくすることが多いですね。
床面配線用モール
こちらは床に配線する場合に使用するモールです。
【引用元】https://direct.sanwa.co.jp/ItemPage/CA-R50LBR
机と机の間が離れている場合など、間の配線を隠せない場合はこの床用モールを使うことがよくあります。
床ですから人の通行もありますし、場所によっては台車などが通ることもあるでしょう。
通行の妨げにならないよう、薄くかつ傾斜をゆるくしてあるものが一般的です。
そのため、壁面用のモールに比べると幅が広いものが多いですね。
地味ながら、ケーブルとともに通行者も守る重要な役割を果たしているのですよ。
こちらも床の色に合わせたものを選ぶのが一般的で、ケーブルを目立たなくしています。
ダクト
こちらは今まで紹介してきたモールたちとはちょっと性質が異なるものです。
「ダクト」という、ケーブルを束ねるために使用する道具となります。
【引用元】https://www.hellermanntyton.co.jp/product/protection/heladuct.html
写真を見ても分かる通り、ダクトは今まで紹介してきたようにケーブルを隠していません。
ダクトの目的はケーブルの保護ではなく、ケーブルをまとめることなのです。
そのためオフィス内の床や壁で使用されることは少なく、あまり人に踏まれにくい机の下などの配線をまとめたりするときに使用されます。
ダクトのメリットは、配線後もケーブルを取り出したりしやすいことです。
モールの場合、中の配線を一本だけ変更したい場合、一度カバーを開ける必要があります。
しかしダクトの場合はカバーを開閉する必要なく、一本単位でケーブルを取り出したり、追加したりすることができるのです。
ネットワーク装置を集約しているラックなど、配線数が多く配線変更の頻繁が高いところでも活躍していますね。
モールとダクトは、配線の用途や場所の性質によって使い分けるのが良いでしょう。
まとめ
モールは室内を綺麗に見せるだけではなく、転んでしまうのを防いだり、LANケーブルの断線を防いだりと、色々な役割があることが分かったね。
見た目をスッキリさせるためにも、オフィスレイアウトをした時には、モールでケーブルでまとめておこう。
LAN工事のシーンで影で活躍するモールにスポットを当ててみました。
ケーブルを保護してネットワークの品質を維持し、同時に人も守り、景観も守っているのがモール。
そしてコストを抑えた工事が手軽にできるという意味では、LAN工事の必須道具と呼んで差し支えないでしょう。
普段あまり意識されない存在ですから、ときどきは気にしてあげて、壁や床からはがれかけていたら直してあげるようにしてくださいね。