「LAN工事の道具」ってどんなのがあるの?いまさら聞けないネットワーク・LAN工事の基本シリーズ!!
LANケーブルを作ったり、配線を行うには、専用の道具や工具が必要になるよ。
今回の記事ではLAN工事に必要な道具や工具について、詳しく見ていこう。
今回は、意外と知らない「LAN工事の道具」についてご紹介します。
LAN工事業者が作業をするにあたり、どんなものを使っているのかがわかるようになります。
「配線は業者に任せっきりだから道具なんて詳しく知る必要がない」という人もいるかも知れませんが、依頼先の業者の仕事を知っておくことは重要です。
作業の品質レベルを見定めるポイントにもなりますので、損はありませんよ。
手先が器用な人は自分で作業することで、緊急時に暫定的な配線をしたり、トラブルを復旧させたりすることもできるでしょう。
今回は、その中でも特に重要な下記2点について解説します。
- LANケーブルを作るのに必要な道具
- LANケーブルを配線するために必要な道具
パッとみでわかる目次
LANケーブルを作るのに必要な「道具」とは?
まずはLANケーブルそのものを作るための道具をご紹介します。
LANケーブルは見てのとおり、線そのものであるケーブル部分と、その両端にあるコネクタの組み合わせでできています。
改めて言うほどのことではありませんが、LANケーブルは原則的にこの構造のものしかありません。
必要に応じてケーブル部分の長さを変えることはあるものの、パーツとしてはこれだけです。
非常にシンプルですね。
それでは道具を見ていきましょう。
LANケーブルを作るには、LANケーブルになる線と、その両端につけるコネクタだけなんだ。
とてもシンプルな構造だね。
必要な工具は、ニッパーと、かしめ工具と呼ばれる専用工具だけだよ。
LANケーブル
まさに線そのものの部分です。
見た目は一本の線ですが、中には8本の銅線が入っています。
この銅線を伝って実際の通信が行われるわけですね。
このLANケーブルですが、家電量販店では3mや5mといったものが売られていますが、工事で使う場合は巻取り式のものを使い、適切な長さに切って使用するのが一般的です。
(放水用のホースや外で使う延長電源コードに似たイメージですね)
【引用元】https://www.sanwa.co.jp/product/network/lancable/handmade.html
普段はなかなか見かけることもないと思いますが、工事のシーンではこういったものが使用されているのですよ。
RJ45コネクタ
LANケーブルの両端につけるコネクタです。
HUBやルータ、パソコンなどと繋がる部分ですね。
先ほどLANケーブルの説明のところで、ケーブル内に8本の銅線が入っているということを書きましたが、このコネクタはその8本の銅線を受ける形状になっています。
電話線のコネクタと似ていますが、サイズや線数が異なります。
LAN工事のシーンでは、最初からコネクタが付いたケーブルを使うこともありますが、コネクタなしのLANケーブルを配線しておき、最後にコネクタを取り付けるという方法を取ることもあるのですよ。
かしめ工具
ちょっと聞き慣れない言葉「かしめ」ですが、LANケーブル作成のための必須道具です。
LANケーブルにコネクタを取り付ける際は、ケーブル内の銅線をコネクタの取り付け部分(「極」といいます)に合わせ、強く挟むことによって接合します。
この接合作業のことを、「圧着する」もしくは「かしめる」というのです。
銅線と極がずれていたりすると通信品質に影響しますので、このかしめ作業はLANケーブル作成にあたって極めて重要な道具と言えるでしょう。
ニッパー
こちらは一般的にもよく知られた道具でしょう。
細い配線を切ったりする際によく使われます。
プラモデルを作る人にとっては、パーツを綺麗にカットする際に使用するため馴染みのある道具かもしれませんね。
LANケーブル内の銅線をきれいに切りそろえることでかしめがしやすくなりますし、8本の銅線の長さが異なることによる断線などのリスクを下げることができますので、LANケーブルの寿命にも影響します。
こういった細かい作業を丁寧にやっているかどうかが、工事業者の品質を見抜く際の一つのポイントになるかもしれませんね。
テスター
こちらはLANケーブルがちゃんと使える状態かどうかをチェックするものです。
【引用元】https://www.sanwa.co.jp/product/syohin_photo.asp?code=LAN-TST5&number=1
ケーブルの両端にコネクタを取り付けたら、そこにテスターを接続することでLANケーブルが正常かどうかをチェックしてくれます。
何度か述べている「8本の銅線」が1本1本きちんと正しく接続されているか確認できるため、作業の失敗があっても確実に気づくことができます。
優れた職人であればこそ、ケーブル作成後はテスターを使って確実にチェックしているものですので、作業を観察してみるのもいいですね。
また、このテスターは工事のときのみならず、その後の使用においてLANが断線してるかもしれないときの調査にも役立ちます。
一つ持っておくと便利ですよ。
実際にLANケーブルを配線するために必要な道具とは?
LANケーブルを天井裏等に配線する場合には、配管が必要になるよ。
室内に配線する場合には線が踏まれてしまう事がないよう、モールを利用されることが多いね。
細い場所に配線をするには、通線ワイヤーを利用するという方法もあるよ。
ここまでが、LANケーブルそのものの作成に必要な道具です。
ここからは、LANケーブルを配線する際、必要に応じて使用する道具をご紹介します。
LANケーブルを保護したり、配線をきれいに見せたり、配線作業をしやすくするための道具たちですね。
普段見かけることがあるものもあると思いますよ。
配管(CD管、PF管など)
LANケーブルを通すための管です。
といっても、オフィスの中で見かけることはあまりないと思います。
机の下にあるHUBからパソコンまでの間のLAN配線で、配管を通す必要などありませんので…。
配管の使い所は、建物と建物の間の配線(屋外配線)や、天井裏の配線など。
LANケーブルはそれほど強い素材ではないため、風雨や埃、熱などにあまり強くないのです。
そのため配管でLANケーブルを保護するのですね。
モール
これはオフィス内でも見たことがある人がいるかも知れません。
LANケーブルを床上に配線しなければならない場合に、LANケーブルの上にかぶせるものです。
【引用元】https://www.elecom.co.jp/products/LD-GA1207A.html
これによってLANケーブルが踏まれることによる断線を防ぐと同時に、歩く人が足にひっかけて転ぶといった事故を防ぐ役割があります。
その形状から、「かまぼこ」と呼ばれたりもします。
通線ワイヤー
通線ワイヤーは、あまりその存在を知らない人も多そうですね。
LANケーブルは曲がりやすいもののため、細い配管内に線を通したいときなど、いくら押し込んでも配管内で曲がってしまい、うまく配線できません。
そんなときに、硬く細い素材でできた通線ワイヤーにLANケーブルをくくりつけて配線するのです。
多少細いスペースでもスムーズに配線できるでしょう。
配線条件が悪いときに登場する切り札ですね。
もちろん配線が終わったら通線ワイヤーは取り除くため、この道具は工事業者しか知らないものといえるでしょう。
まとめ
LAN工事は揃える道具や工具が少なく、簡単そうに思えるけれど、ある程度の技術がないと、簡単にはいかないんだ。
失敗してしまうリスクを避けるためにも、LAN工事は専門業者に依頼するのがお勧めだよ。
LAN工事に使用する代表的な道具をご紹介しました。
会社内のLAN工事は外部業者に依頼せず自前で行いたいという場合は、これらの道具を揃えておけばLAN工事コストを抑えることが可能です。
ただもちろん時間はかかりますし、技術も必要です。
簡単な配線だけ自前で行い、高度な技術が必要なものは業者に依頼するなど、うまく使い分けることをおすすめします。