オフィスのLAN工事ってどうやって頼めばいいの?オフィスのお困りごとを解決します!

新オフィスのLAN工事はどうしよう?オフィスの新設や移設が決まった際、社員達が最も気にするのはレイアウトですが、それに準じるインフラ設備を担当することになった身としては、気が気ではありません。

そのオフィス運用は開始した時点で、光回線が未開通であったり、LANの配線が行き届いていなかったり、という心配事が増えるばかりです。

当然、その未知のプロでもないのですから、分からないことだらけなのは、当たり前です。

そこで登場するのがLAN工事業者なのですが、ここでは「どうやって頼むのか?」「発注者として、何を用意すればよいのか?」「見積もりをする際の要点」を解説していきたいと思います。

 

オフィスの工事って何を頼めばいいの?

今のオフィスには、LAN配線が必須基本的な処で、オフィスの新設や移設の際にどうしても必要になるのは、社内環境の基礎ともなる、インフラ環境です。

電気や水道は当たり前のこと、通信環境も整備しておかなくてはなりません。

電話でこそ、現在では携帯電話が主流となり、そちらを臨時的に使用すればいいのでしょうが「LAN工事でようやく開通できる」通信環境については、今や必須課題ともいえます。

 

現代のオフィスにはLAN工事が必須!

オフィスにおいては、電気設備や電話線などの多少の配線は、既に敷設されていることが殆どですが、LAN配線工事については、その会社のシステムにも依存しますので「自分たちでやりましょう」というスタンスであることは否めません。

しかしながら、LANの敷設も、光工事の調整も、ネットワーク機器や電話設備の配置も、素人手ではとても大変な作業なのです。

素人で出来ないものは、専門家に託すしかないのですが、それを実現してくれるのが、LAN工事業者の存在です。

 

LAN工事業者は、様々なノウハウや技術で、そのフロアや社風に合った通信環境を構築してくれます。

しかし、LAN工事業者へ依頼する内容が明確でないと、理想通りの通信環境、ましてや、見積もり依頼すら出すことが叶いません。

では、LAN配線工事は「何が必要?」で「どのように手配すればよいのか?」を、次の項目より紐解いてみましょう。

 

ビジネスフォンなどの工事は必要に応じて行おう

オフィス工事を進めるうえで「逆に、何が必要になるんだっけ?」と考えてしまうことは、結構あるかと思います。

LAN工事を依頼するにしてみても、何を要望すべきか、整理が出来ないかと思います。

そこで、オフィス工事に依頼出来ることを、下記に挙げてみました。

 

①配線する光回線は必要か?

賃貸オフィス等では、オフィスオーナーが既に光回線を用意していることもあります。

また、WANを冗長化するなどの要望の際は、別種の2本以上の回線とともに、2倍量のネットワーク機器が必要となります。

②ビジネスフォンは必要か?

ビジネスフォンとPBX(電話装置)のセットは、持ち込みか新規購入かで、LAN配線のやり方も、ずいぶんと違ってしまいます。

また、ネットワーク通信用の回線と、ビジネスフォン用の回線は、同じLAN配線を用いますが、通常のLAN工事では、別々の回線として分かれます。

PHSを整備する場合も、その送受信機を備え付けなくてはなりません。

これも、Wi-Fi同様、通信受信環境に大きく依存しますので、調整が必要です。

③ネットワーク機器は必要か?

光回線に接続するルーターや、各パソコン機器へ通信を分岐させるためのスイッチ機器、HUB機器が必要となります。

④無線LANやプリンタ、ストレージの追加は必要か?

オフィスの新設や移設などによって、追加購入が必要になる場合があります。

また、無線LANは今や、どの先進的なオフィスにも、導入されるものです。

無線LANを設置するには「サイトサーベイ」と呼ばれる、無線電波の状況を確認する調査が必要です。

⑤OAフロア化はする?

オフィスがOAフロア化していない場合、電気や通信ケーブルを安全に敷設するため、検討する必要があります。

OAフロア化したオフィスは、レイアウト変更や端末の増減にも、比較的容易に対応ができるので、お勧めしたい処です。

 

ざっと、上記5点を挙げてみました。

これで、ご依頼したい内容が何であるかが、ぼんやりと見えてくるかと思います。

 

オフィスのLAN工事を依頼するための準備

見積もるために必要なものLAN工事の要件がまとまったところで「依頼するために何が必要か?」を検討しなくてはなりません。

ここはLAN工事業者のヒアリングにお任せしたい処ですが、工事をスムーズに進めるためにも、前もって「何が必要かを」把握しておくことが、賢いやり方です。

 

オフィスの環境を正しく伝える(フロア数や床の状態など)

LAN工事を依頼するうえで、フロア図の入手は必須課題とも言えます。

そのビルの設計図面は、必ずそこのオーナーが持っていますので、入手しておいたほうが良いでしょう。

また、複数の階やフロアをまたぐ会社である場合は、上下階へのLAN敷設や、ネットワーク機器の増設などの事情により、がらりと構成が変わってしまいます。

 

フロア床がOAフロアであるかどうか、も、LAN工事の要となります。

OAフロア化については、LAN工事業者に依頼すると、施工してくれることもありますので、検討してみましょう。

また、OAフロアを検討しない場合も、壁内や床内への配線、モールの敷設、など、いくらでも対応できるのが、LAN工事業者の強みです。

 

このように、これらの要件の有無によっても、LAN配線工事に必要な作業や部材が変わりますので、注意しつつ、お伝えいただいたほうが良いでしょう。

 

利用する人数や、有線かWi-fiなどの構成を考えておく

そのフロアに、何人の人が所属するのか?は、とても重要なファクターとなり得ます。

概ね、その人数分+αのパソコン機器が必要となるからです。

 

また、他のファクターとして、LANへの接続数は、業種にも依存します。

例えば、IT系などのシステム事業であれば、フロア収容人数の倍は、接続数が必要となります。

必要なLAN口数が増えると、それに伴い、必要なネットワーク機器や配線も増えていきます。

もう一つ例えると、工場などの設備では、フロア収容人数の半分位で充足することもありますが、敷地がかなり広いので、LANケーブルやWi-Fi設備が余分に必要となるケースもあります。

現在主流のLANケーブルでは、長さ100mが限界ですので(100mを超えると、通信速度が低下してしまいます)、100mごとにHUBやスイッチを置くなどの対策も必要となるのです。

 

概算の見積もりと現場調査後の見積もりってどちらが信用できるの?

概算見積もりと、詳細見積もりの違いAN工事の依頼については「依頼と要件定義した上での概算見積もり」と「現場調査後の詳細見積もり」の2パターンが存在します。

どちらかが信用できるか、と言われると、現場調査後の詳細見積もりですが、この概算見積もりと詳細見積もりは、比較するものではありません。

この二つの見積もりは「LAN工事業者へ見積もり依頼するうえでの、プロセス」だとご理解ください。

 

概算の見積もりはあくまで目安と思っておこう!

概算見積もりは、そのLAN工事業者が「そのご依頼であれば、概ねこの位で請け負ってますね」という、指標であることが殆どです。

必要となる人員数や部材や機器も、概ね、標準的な内容でセットとなっています。

その見積もりは、過剰に赤字が出ないように「危険加算」という加算が含まれていますので、若干高くなっていたりします。

 

正確な金額を知りたい場合は必ず現場調査を行ってもらおう

概算見積もりを提出した業者としては、ここで「高すぎるな。。」と怖気付かないで、現地調査のうえで、詳細見積を出させてほしい処なので、勇気をもって、前に進んでほしいという思いです。

現地調査の結果、フロアや建屋の状態や状況と、そこに新たなLANケーブルを配線するうえで必要な見積もりが明確となります。

つまり「そのフロアに適した見積もり情報を提供することができる」わけですね。

また、うれしい要素としましては「既設の設備で充足する部分」や「効率的にLAN配線やネットワーク設備を設置できる」などの新要素が絡み、詳細見積もりを、ぐんと安価にできることが殆どです。

概算見積もりは、「自分たちのフロアを知らない上」での見積もりでしかありません。

現地調査を行ったうえで詳細見積もりこそが「正しい見積もり内容である」ことを念頭に置いておきましょう。

 

しかしながら、見積もりの要素がどんどん後付けになってしまい「概算見積もりよりも、高額になってしまった」というケースもありますので、注意したい処です。

この場合は「そもそも、LAN工事業者に伝えておくべき要望や要素が足りなかった」という場合が殆どです。

例えば「光回線やネットワーク機器が一部ダウンしても、通信を続けることができる、冗長化をしたい」という要望であったり「無線LANの電波が、思った以上に各部屋へ到達していない」場合なども、追加の見積もりが必要となってしまいます。

殆どの人は、LAN工事業者が提出した概算見積もりから、社内で予算化を進めることかと思いますが、このアテが外れないためにも「現地調査語の見積もりを待つ」か「概算見積もりの時点で、余すことなく要望や要素を伝えておく」か、で回避ができます。

 

まとめ

まとめ「LAN配線を工事業者に依頼するには、それ相応の知識が必要か?」と言われると、そうではありません。

LAN配線工事に必要な「特別な知識」は、クライアントである発注者としては、その必要はなく、LAN工事業者が、そのほとんどを兼ね揃えていますので、不安になることはありません。

しかし、工事をスムーズに進めたい、という思いであれば、これまで解説してきたような、前もっての下準備が必要になることは、覚えておきましょう。

 

また、LAN工事見積もりを減額したい、という思いを実現させるためにも、LAN工事業者への情報や連携も、惜しむことなく提供するとよいでしょう。

LAN工事業者も人ですから「親切なクライアント」「やりやすい仕事」には、良心を持って、こなしてくれる筈です。