「VPN」って何?ネットワーク・LAN工事の基本シリーズ!!
LANは、敷地内のインターネットをつなげるために利用する物だけれど、遠隔地ではつなげることができないよね。
そんな時に便利なのが、VPNだよ。
今回の記事では、VPNの魅力について、チェックしていこう。
VPN…LAN工事やネットワーク関連の業務において、たびたび目にしたことがある人もいると思います。
なんとなく「遠いところと繋ぐ方法」くらいのイメージは持っている人もいるかも知れませんね。
そんなVPNですが、実は使いこなすことによってLANの利便性をはるかに上げることができるものなのです。
今回は、そんなVPNの魅力を改めてご紹介します。
何のために使うものなのか、具体的な利用シーンは?それによってどんな便利なことが起こるのか?
気になる情報をまとめましたので、是非チェックしてみてください。
パッとみでわかる目次
VPNとは?
VPNは、遠隔拠点のインターネット環境をつなぐことができるんだ。
固定IPアドレスがあれば、接続することが可能だよ。
まずはVPNがどんなものかについて再確認したいと思います。
VPNは、バーチャルプライベートネットワーク(Virtual Private Network)の略で、直訳すると「仮想閉域網」。
仮想…閉域網…??これだとちょっと意味がわからないですよね。
要約するとVPNとは、離れた拠点同士をネットワークで結ぶ、いわゆる専用線的な技術のことなのです。
下記で、詳細とそのための必要な準備について解説します。
拠点同士をネットワークで結ぶ専用線
VPNとは、離れた拠点同士を結ぶための技術です。
通常、コンピュータ同士で通信をさせたいと思ったら、LANを使ってネットワークを構築するのが基本です。
ただしLANは敷地内でしか構築することができません。
敷地外は道路だったり他の会社の土地だったりすると思いますが、いずれも自社の所有地ではないため、LAN配線作業ができないからです。
でも会社は必ずしも一つの敷地に全設備、全社員が揃っているということはありませんよね。
本社の隣の市に工場があるなどのケースは、よくある話です。
このように、離れた場所にある拠点を繋ぐためのネットワークを「WAN」と言い、そのための方法の一つが「VPN」なのです。
(WANは別名「LAN間接続」とも呼ばれます)
VPNは、インターネット上をあたかも専用回線のように使用することで、拠点同士を結ぶことができる技術。
VPNを使うことで、離れた拠点のパソコン同士もネットワーク上でデータのやり取りができるようになるのです。
VPNを利用するにはプロバイダ契約上で固定IPアドレスが必要
普段あまり意識することはありませんが、インターネットを利用するときは「グローバルIPアドレス」というインターネット上のIPアドレスが必要になります。
Web閲覧やメールなどを使う場合も、私達の知らないところでグローバルIPアドレスが自動割当されているのです。
Web閲覧やメールなどで自動割当されているのは不定のグローバルIPアドレスで、プロバイダに対し特別な追加契約などをすることなく利用することができます。
ただVPNを使いたい場合は、「固定のグローバルIPアドレス」が必要。
VPNはインターネットを使用した技術ですので、「どのIPアドレスとどのIPアドレスを繋ぐ」という設定が必要となります。
不定のIPアドレスだと接続先を特定することができませんので、固定のグローバルIPアドレスが必須なのです。
固定のグローバルIPアドレスは、プロバイダに別途オプション料金を支払うことにより取得することができます。
VPNを利用してできることは?
VPNを利用すると、遠隔拠点でも内線を利用して通話ができるから、通話料が無料になったり、ファイルの共有をスムーズに行うことができるんだ。
さて、そんなVPNを利用して拠点同士のネットワークがつながったら、どんなメリットがあるのでしょうか?
具体的な業務のシーンを踏まえて紹介していきたいと思います。
別拠点同士がファイルを共有することができる
拠点同士がネットワークでつながれば、拠点のパソコン同士で直接ファイル共有ができるようになります。
例えば本社にしかない管理部門(総務など)は、多くの規定や申請書類などを発行・管理していると思いますが、それらを離れた拠点の人でもすぐに参照することができるようになるのです。
離れていても情報伝達が遅れることがなくなり、管理側も本社と遠隔拠点とで対応を分ける必要もなくなり、業務の無駄を削減できますね。
ビジネスホンと連携し、他拠点と内線通話ができる
社内LANを使用したビジネスホンを使っている場合は、VPNにより大きな効果を出すことができます。
拠点同士での電話連絡は日常的に必要なことだと思いますが、拠点同士の県が異なっていたり、場合によっては国が違うというケースもあると思います。
そうなってくると、県外通話、国際通話など、電話代は馬鹿になりません。
しかしVPNを利用すれば、離れている拠点間でもネットワーク経由で内線通話ができるようになり、拠点間電話のための電話代がかからなくなります。
大幅なコスト削減を見込めますよ。
VPNの利用するメリットとは?
VPNは、コストが安くてセキュリティ対策が万全、そしてどこからでも接続が可能というメリットがあるよ。
ここまでVPNの魅力を紹介してきましたが、LAN間接続を実現する方法は、VPN以外にも「専用線サービス」を利用する方法もあります。
しかしVPNは
- セキュリティ
- 柔軟性
- コスト
などの各面において、専用線とほぼ同等もしくは専用線よりも優位な点が多いのです。
その点を以下に詳しくご説明しますね。
暗号化でセキュリティもバッチリ
先ほども軽く触れましたが、VPNは通信のためにインターネットを使用します。
インターネットは誰もが使えるサービスですので、そんなところに業務のデータ通信をしてもいいの?専用線サービスを使ったほうが安全じゃないの?と思う人もいるかもしれません。
しかし、VPNならセキュリティの心配はほとんどありません。
それは、物理的にはインターネットを使うものの、通信は暗号化技術により傍受困難な状態にしているからです。
VPNによる情報漏えい等のリスクはまずないと考えていいでしょう。
距離に依存せずどこからでも接続可能
VPNは、インターネットさえ使えれば距離に依存せずどこからでも接続可能です。
これは、VPNの大きな優位性の一つと言えるでしょう。
今の時代において、インターネットが使えない地域というのはほとんどありません。
したがって、どこからでも、どんなに遠くからでもインターネットさえあればVPNで拠点同士の通信ができるようになるのです。
また、もし拠点が引っ越すなどといったシーンにおいてもスムーズな対応が可能ですので、非常に柔軟性が高いと言えますね。
これだけ便利なのに月額のコストは安価
この点もVPNの大きな優位性の一つです。
それは圧倒的なコストの安さ。
これだけ便利でも、VPNの月額費用は数千円~1万円程度で済みます。
具体的には、プロバイダに支払うグローバルIPアドレス使用料金ですね。
専用線はこんな値段で構築できません。
どんなに安くても5万円~6万円はかかるでしょう。
この金額差は、特に拠点数が増えるに従って大きなものとなります。
拠点数が多ければ多いほど、VPNの優位性が高まると言えますね。
まとめ
VPNについて、良く分かったかな?
支店を複数抱えていたり、グローバル展開をしていたり、工場が遠隔地にある場合には、VPNを利用することで、コストを抑えて安全にインターネット環境を構築することが可能になるよ。
というわけで、VPNについて改めて振り返ってみました。
VPNは技術を駆使することで、便利なインターネットをさらに便利に活用する、そんな方法の一つだと思います。
企業のネットワークでもVPNを積極的に活用し、安全で便利なネットワークを安価に構築し、コスト削減につなげてくださいね!